2020年11月15日(1958号) ピックアップニュース
「保険でより良い歯科」連絡会・市民学習会
「健口」で「コロナ時代」を乗り切ろう
終了後には歯科無料健康相談も
健口維持で免疫力を高めよう
天野先生は冒頭、新型コロナウイルス感染防止に関し、「ワクチン開発への過剰な期待は禁物で、ウイルスの物理的封じ込めと、特に自己免疫力アップがカギとなる」とし、口腔の健康状態が悪いと、口腔機能のみならず、呼吸器疾患、心臓血管疾患、認知症、抑うつなどの疾患のリスクが有意に高まると解説。「健口を維持することで免疫力を高め、コロナ時代を乗り切ろう」とした。また、腸内の多様な細菌群が、一定のバランスを保った状態である「腸内細菌叢」が重要と指摘。「腸内のバランスが崩れて起こる慢性下痢や肥満、動脈硬化、免疫異常などを予防するには、腸内の善玉菌を増やすことが課題」とし、食物繊維や地中海食(魚、オリーブオイル、野菜、ヨーグルト等)など善玉菌が好む食物繊維の多い食品の摂取を推奨した。さらに、「良い食生活を続けるためにも、『健口』が健康と幸せのカギとなる」として、虫歯や歯周病にならないための口腔内ケアの方法を具体的に紹介。「定期的な歯科受診と歯科医師、歯科衛生士との良好な関係を築いて、豊かで幸せな人生を」と呼びかけた。
質疑では「口内炎のできやすい患者の要因は」(医師)、「口腔内の違和感を訴える患者と、亜鉛摂取の関係は」(医師)、「リグロス(歯周組織再生療法)の安全性は」(市民)など多彩な発言があった。
終了後には、歯の無料健康相談を実施。2件の相談があり、同会世話人の加藤擁一協会副理事長と藤本貴士先生が対応した。
学習会は、冨澤洪基評議員が司会を務め、歯科受診リーフレット「早めの歯科治療と定期的な専門的口腔ケアは感染予防のカギ」を足立了平副理事長が紹介。参加者から「口の中と腸の中を考えながら食生活を考えたい」(市民)「感染症予防と歯周病菌との関わりや、全身疾患と歯周病との関連などを深く知れた」(歯科衛生士学校・学生)などの感想が出された。