兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2021年4月25日(1972号) ピックアップニュース

燭心

 4月25日は〝世界ペンギンの日〟であるらしい。何でも米南極基地にこの日にアデリーペンギンが現れるからだとか。二足歩行の姿が人に似ていることから、漢字は〝人鳥〟と表記されるらしい▼こんな風にネットでなんとなく豆知識と遊んでいると、先日講演いただいた元京大総長、山極壽一先生に叱られそうだ。知識というものは一所懸命に頭に叩き込まないと、脳の劣化が生じるらしい。知識の外付けは脳重量を軽くするとの指摘もあった▼しかし雑学で遊ぶのもなかなか面白い。ペンギンの第一の脅威は気候変動であり、海洋全体の健全性を如実に反映するという。繁殖地の陸では環境の劣化、病気、海では油汚染と漁業が大きく影響している▼最近、背広姿のサラリーマンがリング状の色鮮やかなバッジをつけているのを目にする。SDGs(持続可能な開発目標)である。17項目からなる企業の取り組みが記され、それぞれは納得のいく項目ばかりである▼大阪市立大学の齋藤幸平氏は、著書『人新世の資本論』の冒頭で、-SDGsは「大衆のアヘン」である-と一喝する。なぜなら、温暖化対策をしていると大衆に思い込ませ、真に必要なアクションを起こさせなくするからで、資本の側が環境配慮を装って私たちを欺きグリーンウオッシュに取り込むと指摘する▼どのようなスタイルにせよ資本主義は〝成長〟することこそが定め。そのことにより地球上の物質代謝に「修復不可能な亀裂」を生み出すと。ぜひとも一読あれ(無)
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