2021年4月25日(1972号) ピックアップニュース
「保険でより良い歯科医療」を求める署名スタート
今こそ歯科診療の拡充を 医科・歯科一体で目標1万5千筆
保険でより良い歯科治療を受けられるように--。協会は4月から「保険でより良い歯科医療を求める請願署名」に取り組んでいる。患者窓口負担割合の引き下げや歯科医療費総枠の拡大を求めるもので、1万5千筆を目標とし、集まり次第、毎月の国会要請行動などで提出する。医科・歯科一体となって医療制度の改善と診療報酬プラス改定を勝ち取るために、署名にご協力いただきたい。
適切な歯科医療で口腔内を清潔に保つことは、「感染症の予防」や「基礎疾患のある患者の重症化予防」など全身の健康にとっても重要であると指摘されている。しかし、新型コロナウイルス感染症への恐れやコロナ禍での減収や解雇による生活困窮のために、歯科医療機関への受診控えが進み、患者・国民の口腔内の状態は悪化しているのが現状である。
この打開に向けて、協会は「保険で良い歯科医療を」全国連絡会と全国保険医団体連合会が取り組む「保険でより良い歯科医療を求める請願署名」に、4月より取り組んでいる。請願項目は、(1)「お金の心配をせず、安心して歯科医療が受けられるよう、窓口負担割合を下げてください」、(2)「健康保険で受けられる歯科治療の範囲を広げてください」、(3)「歯科医療の充実に必要な国の予算を増やしてください」の3点。署名用紙は4月中旬(歯科)、5月月刊保団連同封(医科)にてお届けしている。また、署名運動を推進するために、ハガキ署名や、署名付ポケットティッシュ、患者さんの読み物として2種のリーフレット『早めの歯科治療と定期的な専門的口腔ケアは感染予防のカギ』『お口の健康を守るために』のグッズを準備した。患者さんに署名をお願いするに当たり、合わせて頒布いただきたい。
グッズはすべて無料。署名用紙・グッズのご注文は、電話078-393-1809まで
患者さんと、歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士など歯科医療の提供者が共同して、歯科の保健・医療制度全般の改善を求める運動を行っている団体です。1992年に全国連絡会が創設され、兵庫県は2009年に結成。今の保険診療を一層充実させるとの思いから「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会との名称です。県下でもこの12年間、講演会、シンポジウムなどの宣伝と交流、署名、国会議員への要請、自治体へ意見書採択を求める運動など幅広い活動をすすめています。
保険でより良い歯科医療の実現へ署名へご協力をお願いします
歯科部会長 加藤 擁一
協会は「保険でより良い歯科医療を求める」請願署名に取り組むことを決定しました。来年度の診療報酬改定に向けて、集まり次第、現在開会中の通常国会、秋の臨時国会へ提出してまいります。目標は1万5千筆で、今年11月末までの実施予定です。
お金の心配をせずに歯科治療を受けられることは、国民すべての願いです。署名ではその実現のため、高すぎる窓口負担割合の引き下げを求めます。
また歯科では、いまだに保険の利かない治療が数多くあり、保団連のアンケート調査(2014年)でも、9割を超える患者さんが拡充を望んでいます。安全性・有効性が確立している治療や材料に関しては、国民皆保険制度の理念にのっとり、すみやかに保険に導入することを求めます。そして、これらの要求を実現するためにも、国の歯科医療の予算を抜本的に増やすことを求めます。
近年、糖尿病などをはじめとするさまざまな病気の発症やフレイルの進行に、口腔疾患が関係していることが、次々と明らかになってきました。新型コロナ感染症においても、継続的な歯周病治療が、予防につながると期待されています。保険でより良い歯科治療を実現することは、歯科のみならず、国民医療全般にも大きな役割を果たすことになります。
兵庫県保険医協会の医科・歯科すべての会員の皆さまに、まずは1筆、2筆からで結構ですので、ぜひとも署名へのご協力をお願い申し上げます。