2021年4月25日(1972号) ピックアップニュース
2020年空気の汚れ全県調査結果 幹線沿いの汚染残る 引き続き調査へご協力を
環境・公害対策部長 森岡 芳雄
昨年10月に実施した、県内各地の大気中二酸化窒素(NO2)濃度全県調査(空気の汚れ調査)結果が明らかになりました。この調査は、県内の公害・環境団体等が91年から毎年6月に実施しているものですが、昨年は新型コロナウイルス感染症拡大を受け、実施時期を変更し、10月22日~23日に行いました。このため、全県の結果は現在分析中ですが、協会の会員医療機関に協力いただいた調査の結果が判明していますので、お知らせします。
新型コロナ禍のなかにも関わらず、会員医療機関からは例年並みの219個のサンプル協力を得ることができました。調査にご協力いただき感謝いたします。
協会会員協力分では、WHOの環境基準(国の旧環境基準)以上である窒素酸化物濃度(NO2)20ppb以上が測定された観測地点は22カ所でした(図)。前回は213カ所中44カ所でしたので、大幅に改善が見られますが、これは調査日が雨であったために大気中の汚染物質が減少したこと、コロナ禍で産業活動が停滞し工場の稼働率低下や交通量の低下がみられたこと、神鋼石炭火発の1基が定期点検により停止していたことなどによる影響と考えられます。
一方で、依然として国の旧環境基準を超えた観測地点の多くは京阪神間で、特に主要幹線道路の近くや歩道橋で高い数値が出ていました。
灘区では、神戸製鋼所が増設した石炭火力発電所が、来年1月にも営業運転を開始する予定です。石炭火力発電は地球温暖化の主要な原因物質であるCO2排出量が多いだけでなく、NO2をはじめとした大気汚染物質も大量に排出します。稼働の前後での変化を記録するためにも、住民による空気中のNO2濃度の測定・監視を継続していく必要があります。
2021年の「空気の汚れ全県調査」は、6月10~11日の日程で実施予定です。今年もぜひ調査にご参加いただきますようお願い申し上げます。
図 幹線道路沿いなどで汚れが見られた
2021年「空気の汚れ全県調査」
実施日時 | 6月10日(木)17時~11日(金)17時の24時間 |
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