2021年5月15日(1973号) ピックアップニュース
発熱患者の外来診療・検査体制確保事業の継続を
切実な医療機関の声ぞくぞく
新型コロナウイルス変異株による第4波が猛威を奮うなか、厚労省は、昨年度実施されていた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業を4月に打ち切った。これに対し、協会は4月末に全会員にFAXで、継続実施を求める会員署名への協力を呼びかけ、5月11日までに255筆の署名が寄せられている。
発熱外来について、厚労省は「発熱等診療・検査医療機関」による発熱患者の診療体制を今年度も確保すると説明しているが、昨年度まで実施されていた「発熱患者の外来診療・検査体制確保事業」を3月末までで打ち切っている。その理由として、診療報酬での「外来等感染症対策実施加算」の新設をあげているが、発熱等診療・検査医療機関からは「標榜時間以外に発熱外来を実施しているが、このままではスタッフの人件費が払えなくなる」などの声が寄せられていた。これを受け協会は4月24日の理事会で、「発熱患者の外来診療・検査体制確保事業の継続実施を求める要請署名」に取り組むことを決定し、医療機関へFAX署名を送信した。
寄せられた署名には、「日々危険と隣り合わせ」「現在も患者が増加しつつあるにも関わらず打ち切りには絶対反対」「発熱者の診療を続けるために、補助の継続を」などと多数の切実な声が書き込まれている。寄せられた署名は6月に国会に提出予定。
以下に、発熱外来への補助金の継続を求める署名で寄せられた一言を紹介する。
署名に寄せられた一言
〝このままでは体制維持できない〟
・COVID-19が依然大流行している中、場所を借りて発熱外来担当しています。3月までと状況は全くかわりないので、発熱外来に支援を求めます。
(尼崎市)
・当院は眼科ですので直接関係はありませんが、命をすり減らして奮闘されている周囲の先生方がかわいそうでなりません。政治家は口先だけでなく態度で示してください。
(尼崎市)
オリンピックよりコロナ対策を
・こんな時期にオリンピックを開催することにこだわるよりよっぽど大切なこと。オリンピックにつぎ込むお金があれば補助金に回してほしい。
(伊丹市)
・現在もまだ新型コロナウイルス感染が増加しつつあるにもかかわらず、発熱患者外来診療などに対する補助金が打ち切られるのは絶対反対です。継続実施を要請します。
(伊丹市)
・オリンピックに看護師を募集するお金があったら発熱外来への補助金、人材確保にまわすべきだ。
(宝塚市)
発熱外来減ると病院の負担増す
・当院は透析施設ですが、透析患者は易感染性のため発熱患者が多く、またコロナの可能性を考慮すると当院への受診、診察に来ていただくことができないため、発熱外来での診療が減少することで病院等への負担がさらに増す恐れがあり、補助の継続をお願いしたいと思います。
(宝塚市)
・通常診療を制限して発熱外来を開設している。経営維持のためにしっかりとした補助金の支給を望む。
(西宮市)
・日々まじめに働いている方が急に発熱し、不安に駆られて電話をかけてこられます。地元に根ざすクリニックとしては、人材を確保し、発熱者の診療も続けたいと考えます。事業の存続を切望します。
(西宮市)
・感染拡大し発熱等新型コロナウイルス感染症を疑わざるを得ない患者さんの受診が増えています。抗原検査、PCR検査のための検体採取はじめ感染予防をしての診療が多くなり日常診療の負担はさらに厳しくなっています。
(東灘区)
・これだけ変異株がひろがりつつある今、ワクチン頼みだけでは通常診療は安心して行なえない。すみやかに検査を行い、地域医療を実行できる態勢を整えていただきたい。
(垂水区)
・令和3年度も継続してください。PPEも配布してください。令和2年度支援金を早く振り込んでください。
(東灘区)
患者数減少の影響大きい
・耳鼻科開業医です。コロナ対策(マスク着用、3密を避ける、多人数集会、食事会を避ける)の効果のため、もともとの鼻・のど疾患が激減し患者数半減です。発熱外来で孤軍奮闘しています。わずかでもいいですから慰労金をいただけたらなあ。
(灘区)
・日々危険と隣り合わせの生活(診療)に対し安全対策をするには必ずお金が発生します。ワクチンがまだまだすんでない令和3年度はまだまだ補助金継続が必要です。
(垂水区)
・当院は該当医療機関ではありませんが、該当医療機関の献身的努力や貢献に報いるあるいは維持できる支援は必要であり有意義です。他方全くの無駄と帰したマスク配布などの税金の浪費は無意味であると考えます。
(東灘区)
・厚労省のこの事業のおかげで多くの患者さまが救われました。ぜひとも今年度も継続して下さい。切に願っております。
(西区)
・現在、体制の維持に疲弊しております。一日14時間は働いています。リスクに対しての成果も見合っていないと思います。
(東灘区)
クラスター発生発熱外来維持は不可欠
・私の地域ではクラスターが発生しており、その関係の患者さんが毎日来られて数少ない従業員で必死に対応しています。補助金がなくなれば赤字経営となり体制維持できなくなります。(三木市)
・小児科では、マンパワーが欠かせません。スタッフ維持のためにも補助金の継続を願います。
(姫路市)
・発熱患者の診療のために多くの負担を強いられています。補助金の継続を希望いたします。
(三田市)
・発熱外来をするリスクに対して手当を出していただきたい。医療従事者の善意に押しつけるな。
(淡路市)