兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2021年6月05日(1975号) ピックアップニュース

燭心

 新型コロナワクチン接種予約で、受付はてんやわんやである。自院で接種可能な時間と人員、場所を見極め、予約調整を行うが、「6時間以内」に「6人まとめて」、「廃棄ゼロ」の縛りは頭が痛い。予約方法は医療機関によって異なり、集団接種予約開始前に自院での個別接種予約を開始したり、医院から患者さんに電話を掛けるところもあると聞く▼「公平性」の観点から先着順も一つの手であるが、「当院に1回もかかっていませんね」「3年間受診がありませんので」と「かかりつけ」で選別している医院もあるようだ。予約を断っても応召義務に抵触しないとされているが、なんともすっきりしない▼自治体では抽選制を採用するところもある。「いつでも良い」という人ならいいが、「希望日時有り」の方は調整が必要となる。65歳未満の接種が始まると、仕事の都合で日時希望者が多数となり、混乱は必至であろう▼先着順は一見公平に見えるが、接種は若い人向けイベントとは違う。予約が電話であれ来院であれ、足が悪い、耳が遠い、一人暮らし、ましてやネット予約など到底無理...。接種の必要性がより高い高齢者が後回しになる。予約代行業者も現れ始めた▼接種へのクレームは、公平「感」への不満だと言える。公平「感」は、人によって異なり、需要(接種希望)と供給(ワクチン配分)の状況により左右される。その不満に応えるのは医療機関の窓口である。ここは一つ、担当大臣直通の電話番号を教えてもらいたい(空)
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