兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2021年6月25日(1977号) ピックアップニュース

燭心

 森友問題が裁判に発展し、政府も隠し切れなくなって赤木ファイルが出てきた。モリカケ問題は、どう考えても安倍前総理が無関係とは思えない。保身しか考えていない忖度官僚が公文書を廃棄したと強弁するが、信じる人は少ないだろう。国有地を8億円も値引きした経緯は不明のままだ。誠実な公務員を死に追いやった責任はだれがとるのか。佐川なる東大出身官僚は、ウソをつくことで生活の保障は得られても、だれも尊敬しないだろう。官僚の名誉や矜持はどこへ行ったのか▼協会での山極壽一元京大総長の講演会では、ゴリラとともにアフリカの森に住み、フィールドワークでゴリラの生態を観察された結果が語られた。ゴリラは無声音だが言語に近い音を出して挨拶し、食物を仲間に分け与える。これは他者を信用していることの表れであり、これらは他の動物にはほとんど見られない、ゴリラとヒトの共通点であり、人類の文明発祥の淵源、 嚆矢 こうし だと述べられた▼一方でゴリラは、仲間の見ているところで排便したり性交する点で人類と異なる。約600万年前、ゴリラなどの類人猿とたもとを別った人類の祖先は、ジャングルからサバンナに進出。平原に出た人類の祖先は体毛を失い、homo sapiensのみが持つ羞恥心から、排便、性交を隠れてするようになった▼しかし前総理や先の財務官僚は、保身のために平気で嘘をつき、恥も外聞も気にせず、周囲から後ろ指をさされている。恥を忘れた人間は万物の霊長と言えるのか(鼻)
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