兵庫県保険医協会

　神戸支部は9月16日の幹事会で、2021年神戸市長選挙にあたっての基本方針を決定した。全文を掲載する。

2021年神戸市長選挙にあたっての基本方針

2021年9月16日
神戸支部幹事会

1　首長選挙に対する協会の基本姿勢

　協会はこれまで各種の選挙について、党派選挙となる国政選挙等については特定候補を支持・推薦しないが、首長選挙において、無党派で会員の信頼を得られる候補については、私たちの要求を受け入れて政策協定を締結した場合に限り、民主的な審議を経て支持・推薦することができるとの立場をとってきた。
　また、神戸市長選挙の位置づけについては、神戸市は政令指定都市であり都道府県に準じた権限を持つため、兵庫県知事選挙と同様に特定の候補を神戸支部だけでなく、協会としても支持推薦することができるとの立場である。
　ただし、いかなる選挙の場合にも、会員の「政党支持・政治信条」の自由を最大限に保障・尊重するため、実際の選挙活動は有志の会を組織して行ってきた。

2　これまでの神戸市長選挙に対する協会の対応

　協会と神戸支部は、これまで1973年に行われた宮崎辰雄市長の2期目を問う神戸市長選以来、2005年まで、その時々の開業保険医の要求に基づいて特定候補と政策協定を締結し、民主的な討議を経て、支持・推薦を決定。有志の会を組織し選挙活動を行ってきた。しかし、2009年の神戸市長選挙では、協会が参加していた市民団体が候補者を擁立できなかったことから、特定の候補を支持・推薦しなかった。それに続く2013年、2017年の選挙では、神戸支部が参加する「神戸・市民要求を実現する会」を母体として設立された「市民にあたたかい神戸をつくる会」が候補を擁立したが、「無党派の候補者として会員の信頼を得ることは困難」等の理由で、支持・推薦を行わなかった。

3　2021年神戸市長選挙にあたっての方針

　2021年神戸市長選挙は、新型コロナウイルスの感染拡大で医療提供体制の充実が求められるなか、政府による医療・介護負担増、病床削減が推し進められる状況下で行われることとなる。全国有数の政令指定都市の首長である神戸市長の姿勢は、市政にとどまらず、国政にも大きな影響をあたえるものである。
　しかし、現久元市政は不要不急の三宮再開発と、人口の少ない市域の行政サービスを切り捨てる神戸市都市空間向上計画を強引に進める一方で、公約に掲げていた「中学生以下の医療費無料」を撤回し、国の方針に従い国保料の独自控除や法定外繰り入れを廃止してきた。こうした自公政権言いなりの開発優先、市民生活軽視の市政を協会が支持することができないのは当然である。
　一方、「市民にあたたかい神戸をつくる会」は兵庫県労働組合総連合事務局次長の岡崎史典氏を神戸市長選候補として擁立した。岡崎氏は無所属で立候補を行う。岡崎氏は立候補を発表した会見で「長引くコロナ禍のもと、自己責任を押し付ける久元市政では、市民の命、くらしを守れない」として久元市政の転換をめざすとともに「コロナから命、くらし、雇用、営業を守りぬく」ことなどを掲げている。また、岡崎氏は協会や神戸支部が参加する「神戸・市民要求を実現する会」や「原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会」の事務局長を務めるなど、これまで協会とともに市民運動を進めてきた経験もある。
　以上より、神戸支部は「市民にあたたかい神戸をつくる会」に参加していないが、岡崎氏と懇談し、政策協定の締結に到れば、支持・推薦を決定する。
　ただし、支持・推薦を決定した場合も選挙活動は有志の会として「あたたかい神戸市政をつくる医師・歯科医師の会」（仮称）を組織して行うこととする。

以上