兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2021年11月15日(1990号) ピックアップニュース

燭心

 最近のAIの進歩は著しい。演算機能の飛躍的向上に加えて、自己学習機能を搭載し、私たちの生活に不可欠なものとなった。プロのトップ棋士たちはコロナ禍で対戦が減る中でも、AIとの対戦で腕を磨き、着実に強くなった。棋士のレベルをかつてないほど高めたのは、AIの自己学習機能にあるといわれる。気象現象の分野においても、AIの強みは卓越しており「今の天気」でさえ、「AIによる現況予想」に置き換わりつつある▼さて、これだけ優秀なAIでも、近年の選挙結果の予測には苦戦している。2016年の米国大統領選挙で、AI予測はヒラリー氏が優位、トランプ氏は辛勝の可能性を残す、というもので、トランプ氏の圧勝は予測外であった。AIは「出口調査はリベラル優勢に傾きやすい」など学習を重ねたが、10月末の衆院選の議席を予測できなかった。最大の出口調査のサンプル数を誇るキー局も、小選挙区の議席予測を外し、詳細な検証が行われた▼検証の結果、判明したのは「野党共闘により与党は接戦区で窮地に追い込まれた」「野党共闘でも以前から市民と信頼関係を築いてきた候補は勝ち抜いた」「急ごしらえの共闘候補は、最終盤で与党の引き締めで逆転を許した」という3点であった。野党共闘の効果を過小評価する報道は誤りであった。野党共闘から得た信頼関係のバトンをしっかりとつなぎ、市民と協同して活動を続ければ、AI予想をはるかに越える地殻変動が、次の選挙で示されるであろう(眞)
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