2021年12月05日(1992号) ピックアップニュース
声明 引き続き神戸市の医療提供体制充実に全力を尽くそう
協会と神戸支部は10月31日に投開票された神戸市長選挙において、「市民にあたたかい神戸をつくる会」の岡崎史典候補を推薦した。岡崎候補は5万9000票余を獲得したものの及ばず、現職の久元喜造候補が市長に当選した。協会と協会神戸支部はこの結果を受け、11月17日の政策・運動・広報委員会と11月25日の支部幹事会で以下の見解を取りまとめた。
2021年11月25日
声明
引き続き神戸市の医療提供体制充実に全力を尽くそう
兵庫県保険医協会
政策・運動・広報委員会
神戸支部幹事会
兵庫県保険医協会と同神戸支部は、今回の神戸市長選挙にあたり、「市民にあたたかい神戸をつくる会」が擁立した兵庫県労働組合総連合事務局次長の岡崎史典氏について、久元喜造市政の転換をめざしていること、協会や神戸支部が参加する「神戸・市民要求を実現する会」や「原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会」の事務局長を務めるなど、これまで協会とともに市民運動を進めてきた経験があること、無所属の候補者として幅広い市民と会員の信頼を得ることができることを理由に、「2021年神戸市長選挙にあたって開業保険医師、および歯科医師の重点要求(案)」に基づき岡崎氏と懇談し、政策協定を締結した上で、支持・推薦を行った。
ただし、これまでの選挙同様、協会は会員個人の思想信条の自由を保障する立場から、直接的な選挙支援活動については有志の会「あたたかい神戸市政をつくる医師・歯科医師の会」で行った。
今回の市長選挙は、3選を目指す現職の久元喜造氏に岡崎氏をはじめ新人4人が挑む構図となった。結果、自民、立民、公明、国民が推薦する現職の久元氏が勝利した。岡崎史典氏は、5万9,722票を獲得したものの、及ばなかった。
今回の選挙は、新型コロナウイルス感染症の再拡大への備えとコロナ禍で苦境にあえぐ市民の暮らしや営業をいかに守り立て直すのかが問われる選挙であった。しかし、実際の選挙戦は、自民、立民、公明、国民の与野党相乗りの久元氏陣営が徹底した組織戦を展開し、活発な政策論戦が行われたとは言いがたいものであった。
こうした中、岡崎氏は、「長引くコロナ禍のもと、自己責任を押し付ける久元市政では、市民の命、くらしを守れない」として久元市政の転換とともに、「コロナから命、くらし、雇用、営業を守りぬく」と新型コロナ対策の充実や医療・社会保障制度の充実を精力的に訴えた。しかし、告示1カ月前の立候補表明は、初挑戦の岡崎氏の訴えを市内全域に広げ、知名度不足を補うには短すぎたといえる。
ただ、久元氏への与野党相乗りで、現市政への批判票の有力な受け皿がない中、岡崎氏が立憲民主党支持層の17.2%、共産党支持層の半数、国民民主党支持層の11.4%から得票を得たことは重要である。
協会と同神戸支部としては福祉医療制度の拡充、新型コロナ対策の充実など要求運動の重要な結節点として神戸市長選挙を位置づけ、取り組みを進めた。そうした中、医師・歯科医師の会で取り組んだアピールには、64人から賛同を得た。今後につながる重要な成果である。協会と同神戸支部は引き続き神戸市民と兵庫県民の命と健康を守るために、住民本位の地方政治実現に向け奮闘する決意である。
以上