2022年1月05日(1994号) ピックアップニュース
燭心
アイゼンハワーが当選した1952年の米国大統領選では、39歳で副大統領候補になったニクソンの政治資金を新聞が厳しく批判し、議員辞職寸前に追い込んだ。が、テレビを通じた演説が大逆転を生んだ。共感を呼び、選挙勝利につながった▼世に言うチェッカーズ・スピーチである。テレビが選挙に大きく影響した最初の出来事であり、それは現在まで続いていると思われていた。実際に今回の衆院選も、総裁選報道や維新関連の報道が自民過半数や維新躍進の原動力と言われている。しかし一方で、ほとんど報道されなかったれいわ新選組が3議席を奪取したのはなぜだろうか▼再び米国の話であるが、トランプの大統領選敗退の裏にはGAFAの存在が噂される。TwitterやFacebookのアカウント停止をされたことの影響が大きかったことは明らかだろう▼もはや選挙では、SNSを有効活用しなければ時代遅れだろう。河野太郎氏のTwitterフォロワー数240万超は有名だが、橋下徹氏270万、吉村洋文氏120万と、上位は維新が並ぶ。山本太郎氏も46万と健闘している。一方で、立憲民主党の枝野幸男氏は18万。国民民主党の玉木雄一郎氏や共産党の志位和夫氏の20万にも及ばない。枝野氏は党勢後退の責任を取って代表を辞任したが、むしろ野党共闘により小選挙区で勝利し、踏み留まった方ではないか▼選挙に限らずネットの影響は増大しているが、新年会がオンラインでは美味い酒も何だか味気ない。私も時代遅れか。(酔)