兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2022年4月15日(2003号) ピックアップニュース

燭心

 新年度が始まり、診療報酬も改定された。お気付きのことかと思うが、マイナス改定で全く何も良いことはない。長期にわたる低医療費政策による脆弱さがコロナ禍で露呈したにもかかわらず、教訓を生かす努力、政策転換の意図が微塵も見えないのだ▼本来は公衆衛生行政をゆとりのあるものにし、医師不足の解消、感染症専門医の増員、ゆとりを持った病床・病院機能を目指すべきであるにもかかわらずその道筋は全く見えてこない▼当初〝開業医は非協力的〟〝私立病院は感染患者受け入れに非協力的〟と報道され、あたかも町の医療機関のサボタージュのせいで混乱が生じているとも報道された▼しかしさまざまな調査・アンケートによると事実はそうでないことが明らかになってきた。常に感染の危険にさらされ感染防護に時間をかけ、スタッフを守りながら対応してきたデータがある。しかも莫大な減収を抱えての上でのこと▼今回の診療報酬改定に〝感染対策向上加算〟というものが新設された。特徴は、(1)新興感染症に備えろ(2)都道府県の指示に従え(3)訓練と学習をしておくこと。何ともお粗末な制度と言うほかない。つまり「努力して現状の体制でお上の指示に従って対応しろ」と言うもの▼〝新しい資本主義・あらゆる選択肢を排除しない〟とのたまう総理大臣殿、あなたのやっていることはすべての選択肢を排除し「新自由主義」まっしぐらではないですか▼国民の健康・命を守るためにも、夏の参議院選挙で闘いぬこう。(無)
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