兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2022年4月25日(2004号) ピックアップニュース

主張 保険でより良い歯科医療実現へ二つの集会を成功させよう

 「おいしく、楽しく食べることは人生を豊かにするとともに健康の基本です。しっかりと噛むことで全身の健康状態を高めます。とくに今日の歯科医療は、糖尿病の管理をはじめ、致命的な疾患にいたる高血圧症や動脈硬化、歯性感染症、誤嚥性肺炎、認知症の予防など、全身の健康にとって不可欠な口腔機能を維持させる上で、ますます重要となっています。お口の健康を保障するためには保険で安心して歯科医療を受けられることが望まれます」
 これは、2009年に設立された、「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会の設立趣意書の冒頭である。私たち兵庫県保険医協会も、多くの歯科医療従事者や市民とともに、この連絡会の一員として精力的に活動を続けてきた。
 コロナ禍を経た今、歯科医療の重要性がますます認識されてきている。しかし今春の診療報酬改定は、残念ながら実質的な改善はほとんど見られず、〝保険で良い医療をしたい、受けたい〟という、歯科医療従事者と国民の願いに答えるものにはなっていない。
 現在、「保険でより良い」兵庫連絡会では、二つの集会を予定している。5月29日(日)の〝春の市民学習会〟と、6月4日(土)の〝歯科技工問題懇談会、国会議員と語る夕べ〟である。
 市民学習会では、子どもの「口腔崩壊」の問題を、「女性の貧困」という視点から考えてみようと、10代女性らを支える活動を続けておられる、仁藤夢乃氏を講師にお招きする。また、技工士問題懇談会では、7月の参議院選挙を控えて、歯科技工士の危機突破のため、現場の生の声を各政党の議員にぶつけたいと考えている。
 これらの要求実現には、今後とも市民とともに粘り強い運動の継続が欠かせない。保険でより良い歯科医療を求め、私たちは(1)窓口負担の引き下げ、(2)保険のきく範囲を増やす、(3)歯科医療予算の拡大、の3点を求めて請願署名を行い、県下で2万筆を超える署名を集めた。二つの集会も成功させ、保険でより良い歯科医療の実現を強く訴えかけよう。
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