兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2022年6月15日(2008号) ピックアップニュース

燭心

 喧嘩両成敗という言葉がある。日本の戦国時代に当事者双方の理非を問わず同一の刑を科していたことだが、江戸時代にも慣習法として残っていた。問題を武力で解決しようとした者に禍根を残さないための措置である▼ロシアによるウクライナ侵攻では、ウクライナ人民の家が破壊され、子どもや老人等の社会的弱者も多くの方が亡くなっている。その様子が映像で伝えられ、一方的にロシアが悪いという報道がなされている。しかし、クリミア半島周辺地域の歴史は複雑で、ロシアにも言い分がある。それを理解した上での外交が求められる▼日本人は付和雷同し、同調圧力も強い。その一つがアメリカの言いなりである。有色人種で唯一のG7だとはしゃいでいる日本の岸田総理は、アメリカがロシアを悪と決めつければ、すぐに追従する。ロシアは日本の隣国である。戦禍が日本に及んでいない以上、制裁に加わるべきではない▼ロシアは多くのノーベル賞受賞者を輩出し、世界に誇れるロシア文学などの文化を有する。かつてポリオワクチンもソ連から緊急輸入し、元素の周期表もロシア人の発見である。だがNHKは、ロシアゴスキーの放送を終了し、国民にはロシア料理店に投石する者も現れた。短兵急な日本人の行動は、のちの歴史に禍根を残す。戦争により双方とも罪のない多くの若者が死んでいる。ロシア、ウクライナいずれも落としどころをつけ、早く終戦とすべきである。一将功成りて万骨枯ることはあってはならない(鼻)
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