兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2022年7月15日(2011号) ピックアップニュース

6・9厚労省要請
点数改定の不合理是正を 物価高騰への緊急対応も訴え

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不合理是正を求め厚労省担当者(手前側)と交渉

 コロナ禍以前の2020年度本体改定率0.55%よりも低く抑えられた今次診療報酬改定(本体0.43%)に関し、協会は6月9日に厚労省へ改善要請を実施。初・再診料や入院基本料が据え置かれたままではコロナ禍で毀損された医療機関経営の回復は困難であり、地域における医療提供体制のさらなる脆弱化につながると訴えたほか、会員病院へ行ったアンケート調査など協会へ寄せられた医療機関からの声をもとに、感染対策向上加算などの不合理是正を求めた。
院内感染対策評価継続を
 今次改定で新設された「外来感染対策向上加算」や、入院点数のうち従来の感染防止対策加算から変更された「感染対策向上加算」は、新型コロナウイルス感染症など新興感染症の患者受け入れが要件とされている。
 協会が5月に実施した会員病院アンケート(左に詳報)では、感染対策向上加算の要件であるコロナ患者の受け入れについて、病棟の構造や看護師等の勤務体制、精神科など診療科の特性などから困難との回答が複数寄せられていた。
 協会は厚労省に対し、新型コロナ感染症患者の入院・外来対応が困難なため新設の「感染対策向上加算」の届出ができない病院に対しても、従前の「感染防止対策加算」における院内感染防止の取り組みを継続して評価するよう求めた。
 そのほか、入院料の施設基準における「重症度、医療・看護必要度」からの「心電図モニターの管理」の項目削除の撤回や、今年10月からのレセプト「摘要」欄のコード選択と記載事項の追加を中止し合理化・簡素化を図ること、初診料「機能強化加算」の経過措置の取扱いについての対応などを要請した。
 また、要請と同時に行った「下肢創傷処置」に関する疑義照会については、6月22日付の厚労省事務連絡で解釈が示された。
物価高騰へ対応求める
 世界的な物価高騰により、医療機関においても入院時食事療養費・生活療養費に関するコストが医療機関の大きな負担となり経営が圧迫されていることから、協会は入院患者への十分な食事療養・生活療養を保障するため、患者負担増(標準負担額の引き上げ)とならないよう医療機関の負担軽減の対策を講じるよう要請。
 厚労省は、「協会以外からも同様の声を聞いている。患者負担にもつながるので単純に公定価格を引き上げるのは難しいが、『地方創生臨時交付金』の積み増しを行っており、都道府県には食費の補助などで活用できる旨の通知を先日発出している」と回答した。
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