兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2022年7月25日(2012号) ピックアップニュース

近畿ブロック公害担当者活動交流会・学習会
大気汚染・公害をもたらす石炭火力発電所はストップを

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廣岡氏が住民訴訟の展開を報告

 保団連近畿ブロックは6月12日、兵庫協会会議室とオンラインで学習会「地球温暖化・大気汚染を防ぐため 神戸の石炭火力発電所ストップ!」を開催し、近畿各府県から20人が参加した。企画は兵庫協会が担当し、森岡芳雄環境・公害対策部長が司会を務めた。

 兵庫協会が作成した、神鋼石炭火力発電所周辺を森岡部長が案内する動画を上映。合計270万kWと全国第2位の規模の石炭火力発電所が、住宅街や学校・保育園のすぐ近くにあり、有害物質の排出で健康への懸念があることなどが紹介された。
 次に、石炭火力発電所問題を考える市民ネットワークの丸山寛氏が、1996年に1・2号機建設計画が持ち上がって以来、通産省・環境局、電事連の中央省庁との交渉や関西電力への申し入れを行うなど、20年以上にわたる石炭火力発電所を巡る市民運動の経過を報告。神戸製鋼について、安倍元首相を社員として迎え入れたことや、神戸市の事業を請け負うなど、政界と癒着することで利益を上げ続けていると紹介したほか、古くからの総会屋との関係を指摘するなど、同社の企業体質を鋭く批判した。
 続いて神鋼石炭火力差止め裁判原告団長の廣岡豊氏が、今も続く法廷での争いについて紹介した。石炭火力発電所の環境影響評価(アセスメント)の内容が不十分だったとして、評価書の変更は必要ないとした国の通知の取り消しを求めた訴訟で住民側の訴えを退けた大阪地裁・高裁の判決について「国に忖度した逃げの判決」と批判した。
 また3月に全国的に電力不足に陥った際、発電量を高めた時間帯で、放出している汚染物質のモニタリングの数値が途絶えたことを疑問視し、神戸市に対して現在開示請求を行っていることを報告。それを通じ、神戸市となかば一体化して環境汚染を隠蔽している実態が見えてきたと語った。
 参加者からは「市民の関心を喚起するのにどういった取り組みが必要か」「メガソーラー建設による山林破壊など再生可能エネルギーにも課題がある」などの意見が出された。学習会前には活動交流会が行われ、各協会の公害問題への取り組みを交流した。
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