2022年11月25日(2023号) ピックアップニュース
歯科技工問題シンポジウム・歯科全国交流集会
低医療費打開でより良い歯科へ 兵庫協会から多数が参加
診療報酬大幅引き上げが必要と訴える川村副理事長
技工問題解決は医療費総枠拡大でこそ
10月29日には、協会・保団連も参加する「保険で良い歯科医療を」全国連絡会が都内で「歯科技工問題を考えるシンポジウム」を開催、全国の歯科医師・歯科技工士ら約160人が、歯科技工問題を解決するために何が必要か交流した。仙台歯科技工士専門学校の伊藤多佳男学校長は、歯科技工士養成学校が軒並み定員割れをおこして急減している実態に触れ「社会的意義のある技工士の仕事が〝やりがいはあるが適正な報酬がない〟状態で放置されている。これでは若手の離職率が高いのも無理からぬこと。一刻も早い現状打開を」とした。
宇佐美宏保団連歯科代表が「歯科技工問題の根源は何か~『7:3』問題を中心に」と題し講演したほか、院内歯科技工士・開業歯科技工士と歯科医師のそれぞれの視点からの報告がされた。
フロアからは歯科技工士の苦しい現状や解決には歯科医療費総枠拡大が必要といった意見が出された。
川村副理事長は「適正な診療報酬に改めることこそ必要」とし、「保険でより良い歯科医療を求める」新署名について「運動の輪をさらに広げよう」と呼びかけた。
次期改定で歯科医療危機克服を
30日には、保団連が第17回歯科全国交流集会を開催し、都内会場とオンラインをあわせて、約160人が参加。歯科診療報酬の大幅引き上げや不合理是正を実現する運動をどうつくっていくか、活発に意見が交わされた。田辺隆副会長の基調提案では「コロナ禍による患者減と感染対策費増、この間の物価高などによって歯科医療機関の危機はますます切迫している。今次改定でも実態に見合う診療報酬に改善されているとは言い難い」と今次歯科診療報酬改定の問題点を指摘。
「安全性が確保され十分普及している技術・材料は適切な評価のもと、直ちに保険導入されるべき。患者窓口負担の軽減と合わせ政府に強く要求していこう」と次期改定に向けた運動が提起された。
武村副理事長が「低医療費政策の下、厚労省に事実上の混合診療を強いられているのが歯科界の実態と承知している。医科からも声をあげる必要がある」と医科・歯科共同の取り組みを呼びかけた。