兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2022年12月05日(2024号) ピックアップニュース

燭心

 どこまで続く泥濘(ぬかるみ)ぞ、三日二夜を食もなく雨降りしぶく鉄兜、既に煙草は無くなりぬ、頼むマッチも濡れ果てぬ。飢え迫る夜の寒さかな...。これは日中戦争が泥沼化した頃の歌で、当時の国民の心情を髣髴(ほうふつ)とさせる。短調の哀愁を込めたメロディーが胸に沁みる▼これから冬にかけてウクライナにミサイルが落下し停電が起こり建物は破壊され、飢えと寒さで多くの人命が失われるだろう。終戦のための落とし所を早く決めることだ▼ウクライナ戦争で金儲け、長期化させて管理しているのは米国のように思える。ウクライナの武器は米国製の中古品ではないか▼かつてソ連が存在した頃、社会主義という共通の理念で15の共和国が1本の紐帯でまとまり安定していた。アジア系の顔貌であったレーニンは民族=言語であり顔つきは関係ないと言っていた。スターリンは少数民族グルジア出身で、民族宥和のためモスクワ大学には少数民族枠を作った。フルシチョフは周辺の民族に大盤振る舞いし、ロシアにとっての要衝であるクリミア半島をウクライナに譲渡してソ連を一体化しようとした。このように多くの民族を同じ鍋で雑炊の如く数十年煮詰めたら、百年河清を俟(ま)つのではなく、言語も民族も一体化する▼米国に対して「兄弟牆(かき)に鬩(せめ)げども外其(そとそ)の務(あなど)りを禦(ふせ)ぐ」(詩経より)。ウクライナとロシアは同一民族兄弟国であり、一体化して米国と戦っていたかもしれない。兄弟は家の中では喧嘩しても外からの侮りには力を合わせて防ぐ。(鼻)
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