2023年1月05日(2026号) ピックアップニュース
燭心
岸田政権はウクライナ侵攻で不安を煽り、軍事費拡大と福祉の切り捨てに拍車をかけようとしている。政権の説明を是とする人には何が起きているのか改めて見てほしい▼莫大な武器が消費され、ウクライナでもロシアでも多くの国民の命が奪われている。兵器は決して平和をもたらさない。今回のロシアの行動で、核抑止力で軍事行動は止められないことがわかり、戦時下での原発の危険性が示された。しかし、政権は原発の再稼働、果ては運転延長や新設を認めるという▼仮想敵国が北朝鮮だとすれば、彼の国は核弾頭を用いずとも、原発にカラのミサイルを撃ち込めば十分な効果をもたらせる。実際の戦闘を想定する中国の原発は軍事施設内に設置され、厳重に守られている▼日本が攻められないために必要なのは軍事力でなく、優秀な外交術であるのは明白である。そして、万が一に備え原発を一日でも早く廃炉にすべきだ▼原発なしだと化石燃料の消費が増え、CO2削減に逆行するのだという意見もあるが、そうではない。再生可能エネルギーは不安定で、最大出力の2割程度しか発揮せず、ポスト原発にはなり得ないと言われたのは最早過去の話。京都大学名誉教授の植田和弘先生によれば揚水発電、蓄電装置の発達などにより、2050年頃には原発と化石燃料発電ゼロの再生可能エネルギー時代が訪れることも、夢ではないということだ。自然エネルギーを使っての燗酒で一盃やる新しい年を願って。再生可能エネルギーに乾杯(酔)