2023年3月05日(2031号) ピックアップニュース
環境・公害対策部市民公開学習会
私たちの健康をむしばむマイクロプラスチック
高田教授は廃棄されたペットボトルなどのプラスチックが河川などを経て海上に放出され、世界中の海岸を汚染していると、世界各地の海岸の写真や荒川の河口付近の汚染の様子を示しながら報告。プラスチックは洋上での紫外線照射による劣化などで大きさ5㎜以下のマイクロプラスチックになると話した。
プラスチックは魚介類などの海洋生物、海鳥や海岸に生息する生物の命を奪っていると同時に、マイクロプラスチックになることで食物連鎖の過程で人体にも取り込まれていると指摘。すでに人間の糞便中や血中からもマイクロプラスチックが検出されていると調査結果を紹介した。
そして、ホルモンの作用を撹乱する「環境ホルモン」(外因性内分泌錯乱化学物質)など、プラスチックに含まれる有害化学物質の人体への影響を解説した。
その上で、リサイクルを励行してもリサイクルの過程で大量のCO2を排出することになり地球環境への影響は避けられないとし、プラスチックの使用量自体を減らしていかなければならないと訴えた。「ペットボトルの飲み物を買わずマイボトルを使う」「液体ボトル石けんを使わず固形石鹸を使う」などといった、身の回りでできるプラスチックを減らしていく取り組みが紹介された。
参加者からは「子どもに安心して魚介類を食べさせるためにもプラスチックを減らしていくことが大切だと分かった」「人体に悪影響が出ていることをもっと多くの人に知ってほしい」などの意見が出された。