2023年4月15日(2035号) ピックアップニュース
政府の「医療DX推進工程表(骨子案)」に意見
〝現場の声を聞き進めるべき〟
3月8日、内閣官房医療DX(デジタルトランスフォーメーション)推進チームは「医療DXの推進に関する工程表(骨子案)」(以下、「骨子案」)を発表し、意見公募を実施した。電子カルテの標準規格化や保健医療データの二次利用の推進などが盛り込まれており、協会は、問題点を指摘する意見を送付した。提出意見の要旨を紹介する。
「骨子案」は「マイナンバーカードを健康保険証として利用するオンライン資格確認は、医療DXの基盤である」としている。しかし、あくまでマイナンバーカードの取得は任意であり、取得の有無によって、受けられる医療に差ができることは許されない。
また、「医療機関・薬局における電子カルテ情報の共有を進めるため、医療機関における標準規格に対応した電子カルテの導入を推進する」としているが、たび重なる診療報酬のマイナス改定やコロナ禍により、医療機関経営が厳しい中、新たに高額な負担を医療機関等に強いることがあってはならない。
「民間事業者との連携も図りつつ、保健医療データの二次利用により、創薬、治験等の医薬産業やヘルスケア産業の振興に資することが可能」との記述についても、保険医療データは極めてセンシティブな情報であり、安易に製薬企業やヘルスケア産業に提供されるべきではない。
さらに、「診療報酬の算定と患者の窓口負担金計算を行うための全国統一の共通的な電子計算プログラムとして共通算定モジュールを開発・提供」とあるが、診療報酬改定はこれまで、極めてタイトなスケジュールで行われ、その解釈等が難解であることも多く、改定のたびに医療現場で混乱が生じている。こうしたことが改善されぬままに、厚生労働省からの一方的なプログラム提供によって行われれば、医療機関が気づかぬまま、請求漏れを強いられたり、不当減点の温床になる可能性がある。また、本来医師の裁量で行われるべき医療行為が統率・画一化され、患者に合わせた医療ができなくなる恐れがある。
「骨子案」は「マイナンバーカードを健康保険証として利用するオンライン資格確認は、医療DXの基盤である」としている。しかし、あくまでマイナンバーカードの取得は任意であり、取得の有無によって、受けられる医療に差ができることは許されない。
また、「医療機関・薬局における電子カルテ情報の共有を進めるため、医療機関における標準規格に対応した電子カルテの導入を推進する」としているが、たび重なる診療報酬のマイナス改定やコロナ禍により、医療機関経営が厳しい中、新たに高額な負担を医療機関等に強いることがあってはならない。
「民間事業者との連携も図りつつ、保健医療データの二次利用により、創薬、治験等の医薬産業やヘルスケア産業の振興に資することが可能」との記述についても、保険医療データは極めてセンシティブな情報であり、安易に製薬企業やヘルスケア産業に提供されるべきではない。
さらに、「診療報酬の算定と患者の窓口負担金計算を行うための全国統一の共通的な電子計算プログラムとして共通算定モジュールを開発・提供」とあるが、診療報酬改定はこれまで、極めてタイトなスケジュールで行われ、その解釈等が難解であることも多く、改定のたびに医療現場で混乱が生じている。こうしたことが改善されぬままに、厚生労働省からの一方的なプログラム提供によって行われれば、医療機関が気づかぬまま、請求漏れを強いられたり、不当減点の温床になる可能性がある。また、本来医師の裁量で行われるべき医療行為が統率・画一化され、患者に合わせた医療ができなくなる恐れがある。