兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2023年6月05日(2039号) ピックアップニュース

燭心

 過而不改、是謂過矣(あやまちてあらためざる、これあやまちとう)。有名な「論語」衛霊公篇の言葉である。「人は誰でも過ちをする。しかし過ちを自覚して改めようとしない。これが本当の過ちである」。2500年前、中国春秋時代、孔子の言葉であるが、けだし名言である。以下に縷説るせつする▼バブル崩壊後30年だが社会経済的に日本は衰退、格差は拡大(賃金は増えず、GDPも伸びていない)。言論弾圧(放送法、学術会議等)、原発回帰(福島原発事故で懲りずに)、政治倫理の崩壊(東京五輪の談合や利権、大阪のカジノ)。この間の自民党、なかんずく政権に就いた小泉、麻生、安倍、岸田等に共通しているのは金持ちの政治家二世三世議員ということ。一般庶民の感覚からズレた者たちではないのか!▼先進国として天然資源の少ない日本は知恵を出し、ものづくり大国として復活すべきであるが、執るのは安易な円安誘導と観光やカジノ誘致など。一部の御用学者、たとえば高橋洋一氏はアベノミクスを継続せよと言っているが、アベノミクスは大失敗である。政治は結果。失われた30年、あつものに懲りず踏襲▼このままではG7から転落し、奈落の底へ突き落とされる。先進国として、たとえばバイオ医薬品、宇宙航空機産業等を世界にさきがけ重点的に復活させるべきだ。今のままでは無理である。米国のくびきのため新しい産業へ転換できないことも考えられるが、もし孔子が見たら日本の君子たる者、全く進歩していないと思うだろう(鼻)
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