兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2023年7月05日(2042号) ピックアップニュース

第55回総会を開催 保険証廃止の撤回へ全力
記念講演 コロナ禍におけるメンタルヘルス

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コロナ禍のもとでも旺盛に活動し、多数の病院の入会はじめ組織を大きくしてきたと西山理事長があいさつした

 社会保障の拡充で、貧困と格差を是正しよう--。協会は6月18日、協会会議室で第55回総会を開催。会員ら73人が参加し、2022年度会務報告と新年度活動方針案、新年度予算案を可決。西山裕康理事長ら次期協会役員等を承認した。「コロナ禍におけるメンタルヘルスと嗜癖行動を考える」をテーマに、東布施野田クリニック院長で兵庫教育大学客員教授・大阪人間科学大学特任教授の野田哲朗先生が記念講演した。
次期診療報酬引き上げ不可欠
 西山理事長はあいさつで、「コロナ禍のもと、補助金や診療報酬特例に関するサポート等を通じ、多くの会員の入会を得た。とりわけ四つの県立病院が入会し、県内の病院組織率は83%となった」「診療報酬の引き上げは、国民の生命と健康を守るため、地域医療の充実のために不可欠。財源がないと思い込まされてきたが、金額ありきで根拠のない防衛費の財源確保策に憤りを感じずにはいられない。『能力に応じた負担、必要に応じた給付、再分配機能』の徹底こそ必要」「法案は成立したが、保険証廃止は撤回すべきで、決してあきらめず次の一手を推し進めたい」とした。
 会務報告と活動方針を提案した武村義人副理事長は、「任意取得が原則であるマイナンバーカードを保険証の代替とすること自体、法の趣旨を捻じ曲げる暴挙」「医療DXは医療情報を提供することで営利企業のビジネスチャンスを拡大するほか、国が負担と給付の情報に基づいてさらなる患者・国民負担増を強いる政策」とし、保険証廃止・オンライン資格確認義務化へ反対の運動を強めるとした。
 会場からは「保険証廃止をはじめとするマイナンバー問題を運動の最重要問題とすべき」「外国人サポートや国際交流の活動をもっと活発に」「保険でより良い歯科医療を求める運動にご協力を」など6人から発言がなされた。
 新執行部の選出を受け、西山理事長は、特に力を入れたい活動として、女性会員の参加の推進と環境・公害対策を挙げ、協力を呼びかけた。
 また、半世紀以上にわたり保険医運動を支え続けた小牧英夫弁護士が協会顧問弁護士を勇退し、後任に野田倫子弁護士が就任することが報告され、小牧弁護士に感謝状と記念品が贈呈された。

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コロナ禍によるメンタルヘルスの悪化で人々が嗜癖行動へ向かうと指摘した野田先生

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