兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2023年8月25日(2046号) ピックアップニュース

「保険でより良い歯科」連絡会がインボイス学習会
歯科技工士・歯科医師一致して インボイス廃止を!

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オンラインも含めて歯科医師、歯科技工士ら26人がインボイス制度の問題点を共有

 協会などで構成する「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会は7月29日、協会会議室で「歯科技工士・歯科医師のためのインボイス問題学習会」を開催。神戸共同経理事務所の大嶋誠税理士が基調講演し、歯科医師、歯科技工士ら26人(来場16人、Zoom10人)が参加した。

 インボイス制度とは、消費税の仕入れ税額控除のために、これまでの請求書や領収書にかわって、「インボイス(適格請求書)」が必要となる制度で、今年10月から開始されようとしている。インボイス発行には、これまで免税事業者だった中小零細業者やフリーランスも課税事業者となる必要がある。
 基調講演した大嶋税理士は、インボイス制度の概要を解説し、「売り上げが1000万円以下の中小零細事業者である免税事業者が課税事業者になると、新たな税負担が発生し、赤字でも身銭を切って消費税を納めざるをえないという状況が生まれる。すでに経営状態が苦しい事業者の倒産や廃業が相次ぐことが強く懸念される」と問題点を指摘し、実務的にも煩雑になると説明。
 司会を務めた白岩一心協会副理事長は「ただでさえ『7:3問題』などで分断されがちな歯科技工士と歯科医師が、インボイスの導入によってさらに相互不信に陥ることを懸念している。協会は会員に対し、消費税課税事業者でなければ、インボイスを求める必要はない等、周知してきた。私たちは国や県に働きかけ、県の物価高騰対策等一時支援金で歯科技工士も対象にさせた。今回の企画を機に、歯科技工士・歯科医師両方の立場からインボイス廃止に向けて世論に訴えよう」と呼びかけた。
 同じく司会を務めた歯科技工士の雨松真希人氏(「保険でより良い歯科医療を」全国連絡会・会長)は「インボイス導入は2019年の消費税率10%への引き上げと合わせて決められたもの。さらなる中小業者への大増税がその狙いであることは忘れてはならない」とした。
 加藤擁一歯科部会長は「中小零細企業、個人事業主、フリーランスの方々の不利益となるインボイス制度そのものの反対運動につなげよう」とした。
 参加者からは「複雑な制度やその狙いが良く分かった」「人任せにせず、自分でよく勉強しなければならないと感じた」などの感想が出された。
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