2023年9月05日(2047号) ピックアップニュース
1964年5月から60年の積み重ね
診療内容向上研究会が600回
診内研は、日常の診療内容向上のための研鑽の機会として、保険医クラブ時代の1964年5月に第1回が開かれ、以後、約60年にわたり多様な内容で毎月開催してきた。
新型コロナウイルス感染症の拡大による一時中断はあったものの、WEBも活用して新たな参加者も得て継続している。毎回のテーマ・講師は協会の研究部会で検討し、医科開業医を中心に、病院勤務医、歯科医師、薬剤師など職種を超えた多数の会員参加に支えられ、600回を迎えることができた。
第600回診内研では、「ステロイド内服の副作用と効果-実体験も交えて-」のテーマで大阪公立大学皮膚病態学教授の鶴田大輔先生が講演。法貴憲先生(協会理事、西宮市・法貴皮膚科)が座長を務め、109人が参加した。
鶴田先生は、ステロイドの薬理作用等を概説した上で、自らの療養の実体験を症例として副作用の実際を詳しく解説した。
自身で経験した様々な症状について、実際にはステロイドの副作用ではなく他の原因があった例なども紹介し、患者の立場になって初めて見えるようになることもあると指摘。患者の訴えを薬の副作用と決めつけるのではなく、時間をかけてしっかりと耳を傾けることで意外な原因が判明することもあるとし、診療においては患者に寄り添うことが重要だと強調した。講演後は、会場の参加者やWEB参加者から質問が寄せられ、講師がていねいに応答した。
協会は今後も会員のニーズに応える研究会を開催していくので、引き続き、積極的にご参加いただきたい。