2023年10月05日(2050号) ピックアップニュース
燭心
福島第一原発の「処理水」、同じ漢字文化圏の中国や香港では新聞等は「核汚染水」を海洋へ放出と表現している。日本の一部のマスコミは中国や韓国も大量のトリチウムを放出している、福島原発事故の残留トリチウムは希釈するので健康被害はないとするが、実は発熱した原子炉を冷却するための文字通りの冷却処理水とは異なり、事故で溶融したデブリに直接触れた「冷却汚染水」というのが正確である▼239年邪馬台国の女王卑弥呼の使者が魏の明帝に朝貢。魏志倭人伝で、作者の晋の陳寿は逸文を元に当時の日本のことを詳しく記載しているが、邪馬台国の所在地は今でも特定できていない。古代史最大の謎でもある。朝鮮半島南部の帯方郡からの方向・距離・旅程日数が不完全で、東大の北九州説、京大の畿内説等がある。当時の中国は、他国に対して「倭・邪・卑・奴・凶」という蔑む漢字を使用していた。また、文字の大国たる中国は、「白髪三千丈」等、「針小棒大」に大げさに喧伝する傾向がある▼一方、日本政府も都合の悪いことは漢字の文字を入れ替える弥縫策を歴史的に繰り返してきた。敗戦を「終戦」、撤退を「転進」、全滅を「玉砕」、戦争を「事変」、不意打ちを「奇襲」、占領軍を「進駐軍」などと言ったり、鈴木善幸元首相は汚職事件を追及された時、「善意の保管者として預かった」と言った▼同文同種の両大国、同じ漢字文化圏にいるが、頭の構造と表現方法は変化してないと思う今日この頃である。(鼻)