兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2024年1月25日(2059号) ピックアップニュース

燭心

 現職の与党国会議員が逮捕された。容疑はパーティー券売り上げキックバックによる裏金作りに伴う、政治資金規正法不記載・虚偽記載。国会議員の使命は裏金作りでなく国民の心身ともの健康を向上させ、幸福を感じさせる国造りであるはずだが、与党幹部は反省のかけらもない▼政治資金をめぐって過去にはロッキード事件・リクルート事件が有名だ。忘れてならないのは規正法で「合法」とされている企業・団体献金である。パー券だけでなく、大企業からの桁違いの資金提供は政財の貸し借り関係を生み、この貸し借りは大企業の論理を政治で優先させ、半面国民の権利である社会保障を30年以上萎縮させ続けた▼他にも大企業優先のいびつな政策・施策は後を絶たない。あれだけの事故後の原発の再稼働、道理の通らないマイナカード推進と保険証廃止、コロナ禍を押しきり使途不明金だらけの東京五輪等々。これはメディア・司法にも及んでないか懸念する▼政治資金規正法は従前より、ざる法と揶揄されてきた。規正とは「公正な規律に照らし不都合な所を直す事」とある。ならば約30年前、税金を政治資金とすることを前提に廃止予定であった企業献金を今こそ廃止すべきだ。社会保障に予算を回し、国民ファーストで日本の経済力もアップする。今が規正法改善により、社会福祉・民主主義国家を実現させるチャンスである。具体的には我々が議員を見る目を養った上で、選挙に投票に行こう。政策・施策は政治家が行うからだ。(蓮)
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