兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2024年4月25日(2068号) ピックアップニュース

燭心

 24年度の診療報酬改定がややこしい。歯科においては施設基準に振り回されながら項目の廃止、再編が行われ理解しがたい内容になっている▼歯科外来診療環境体制加算(外来環)が、歯科外来診療医療安全加算(外安全)と歯科外来診療感染対策加算(外感染)とに分離された。長ったらしいネーミングだけでもややこしいうえに、医療安全管理には感染対策も含まれていたはずなのに感染対策だけ別立てにしたことで余計に訳がわからなくなった▼そもそも、感染対策が不十分な施設は医療安全管理体制が整備されているとはいえないはずだ。外安全、外感染にしても低い点数設定の割には細かい施設基準が山ほど設けられている。逆に言えば、届出の書類上で基準が満たされていれば実態は稼働していなくても算定が可能になる▼医療安全管理のキモは医療事故の再発予防であり、そのためにはアクシデントだけでなく軽微なエラーであるヒヤリ・ハット事例を数多く集めて詳細な検討を行いヒューマンエラーの発生しにくい職場環境を創り出すことだ。それには健全な医院経営が不可欠である。個人の注意力に頼る解決法では再発は防げない。まして原因を究明しないままの罰則が愚策であることは、現政権閣僚の相次ぐ辞任劇を見ても明らかだ▼「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は、ドイツ宰相ビスマルクの格言だが黒歴史になりつつある低医療費政策のもとでは医療事故は減らないことをそろそろ厚労省は学ぶ必要がある。(九)
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