2024年5月25日(2070号) ピックアップニュース
第103回評議員会を開催 社会保障充実へいっそう努力を
特別講演「政治家と裏金問題」 上脇 博之 神戸学院大教授が講演
西山裕康理事長は「診療報酬改定は全体マイナス。現場の実態を反映しない診療所の利益率の高さを取り上げ、マスコミによる後押しで、間違った世論が誘導され、診療所や病院間に分断が持ちこまれた。一方、防衛費は27年度で4兆円の追加財源を確保する。防衛費増額、医療費抑制では、国民の健康と命を守り、すべての国民に、安全・安心、必要かつ十分な医療を提供することはできない」「医科歯科一体となり、よりよい協会、よりよい地域医療を目指していっそう努力したい」などとあいさつ。
武村義人副理事長が、「保険証廃止とデジタル化強制の背景には、国際競争力をなくした日本の大企業のために、政府与党が税金でビジネスチャンスを創出し、そのしわ寄せを医療機関が受けるという不条理な構図がある」「こうした政治の不当性を解き明かし、根本的に転換していくことなしには、医療・社会保障の拡充は実現しない」とし、医療・社会保障充実のための運動の強化や保険証廃止反対などを盛り込んだ2024年度活動方針案を提案した。
討論では22人(うち1人文書発言)が発言。特定疾患療養管理料からの3疾患外しなど診療報酬の不合理是正や歯科医療の充実、保険証の存続を求める自治体請願の取り組み、医師増員要求と県への卒後臨床研修制度の運用改善などを求める意見が出された。
特別講演では、上脇教授が、自民党の裏金問題を解明・告発し、自民党派閥を解体させた経過を解説。しんぶん赤旗日曜版のスクープ報道をきっかけに、自民党主要派閥の政治資金パーティをめぐっての収入明細収支報告書への不記載・虚偽記入、総売上額の過小記載、不記載のキックバック・中抜きが次々と明らかになり、現在も上脇教授はその調査と刑事告発を続けていると語った。
また、パーティだけでなく、収支報告が義務付けられていない政党(本部・支部)から公職の候補者(政治家)への寄付、国の内閣官房報償費(機密費)など、現在の政治資金制度が抱える多数の問題を指摘。
政治改革として、政治資金パーティの禁止に留まらず、企業その他の団体の政治献金の禁止、政党助成金の廃止、さらには完全比例代表制の選挙制度改革が必要であると訴えた。