2024年6月05日(2071号) ピックアップニュース
燭心
国破れて山河在り、城春にして草木深し...有名な杜甫の春望である。約1300年前の唐の安史の乱の頃の詩で、今のウクライナ戦争と重ねるに、ミサイルやドローンの攻撃でウクライナ東部の市街地はがれきの山だが西部地方の小麦畑はそのままである。人間の作った建物は破壊されつくしたが、自然の森や畑はそのままである。ウクライナ戦争はいつまで続くのか▼さらに厄介なのはガザ地区でのイスラエルとハマスの戦争。400年前、30年戦争はキリスト教徒の新教と旧教との間でドイツ国内で起こり、周囲の国が加担し続いた。結果ドイツの国土は荒廃し、近代化が遅れた。もうこりごりと1648年ウエストファリア条約が締結、人類史上最初の国際条約で宗教上の理由での戦争はなくなった(植民地争奪戦はあった)▼ガザでのイスラム教とユダヤ教の意見は平行線だ。日本でも比叡山焼き討ち等もあったものの多神教ではいいかげんな合意が得られるが、一神教は解決不能。戦争が継続すれば、怨恨が残りそれが永久に連鎖する故、お互い戦争しても解決しないなら戦争しない。それが本当の大人の先進国だ▼ガザ地区の瓦礫の下で多くの罪のない子どもが死んでいる。この戦争は米国とイランの代理戦争にも思える。米国はイスラエルに武器提供するな。囲師必闕、窮冠勿迫。敵を包囲したら逃げ道を残し追い打ちをかけるな。怨念は未来永劫に続くぞ、蟷螂の斧の如き「ハマス」を追い詰めるな、逃げ道を与えよ。窮鼠猫を噛む(鼻)