兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2024年6月25日(2073号) ピックアップニュース

「被保険者証に係る規定を削除する」省令改定は中止を!
"保険証の発行は今まで通りに"
パブリックコメントに会員が181件超の意見を提出

 昨年6月2日に健康保険法等の改正が成立し、閣議決定により今年12月に現行の保険証が廃止されることが決まった。ただ、保険者が健康保険証を交付する義務は省令で定められており、その省令が改定されていないため、現在も保険者には健康保険証の交付義務が課せられている。
 厚生労働省は、この義務をなくすよう、省令を変更しようとしており、6月22日まで意見募集(パブリックコメント)を実施した。
 これに対し、協会は会員にFAXで、保険証発行を存続させるためパブリックコメントへ意見を提出するよう呼びかけた。
 文例も示し、希望者は意見提出を代行すると案内したところ、6月20日までに181件の意見が協会まで寄せられている。
 協会が示した文例は以下の通り。
「各法施行規則より『被保険者証に係る規定を削除する』ことに反対します。
 マイナ保険証による医療機関受診は、未だ7%以下で、医療現場では、健康保険証による受診が圧倒的です。その理由は、患者さんが保険証による受診にまったく不自由を感じていない上、偽造事件や医療機関での資格確認エラーなどによって、マイナンバーカードに不信感を抱いているからに他なりません。
 政府は、資格確認書を発行するとしていますが、今まで慣れ親しんだ保険証が急遽、資格確認書となれば、多くの患者さんが戸惑うことは必至です。医療機関での混乱を避け、患者さんの受療権をこれまで通り保障するため、保険者には今まで通り保険証交付義務を課すべきです。」
パブリックコメントへの声
〝現行保険証患者さんが選べるように〟
 厚生労働省が保険者に課せられた被保険者証の交付義務を省令改正でなくそうとしていることに対し、寄せられた会員の声を抜粋して紹介する。

・国会議員がマイナンバカードに口座番号や保険証をひも付けしていないのに、なぜ、国民がしないといけないのでしょうか。安全と便利ならまず言い出しっぺがすべきです。自分たちはしていないから窓口のトラブルも軽く受け止めているのではないでしょうか。それにトラブルの責任を負わないなんて言語道断だと思います。

(姫路市・医科)

・マイナンバーは簡単に偽造可能なので、日本人の個人情報がだだもれと思われる。国がマイナンバーに顔写真があるのは安全と言っているが、それは大ウソである。保険証を残せ!!!

(宝塚市・医科)

・災害時(停電時)に医療現場が混乱します。本当に医療が必要な状況で医療を提供できません。

(伊丹市・医科)

・マイナンバーカード交付を実質義務化するのは反対。

(姫路市・歯科)

・災害時に通信インフラに影響が出た能登半島地震の時、マイナ保険証は役にたたなかった。「オンラインによる資格確認の導入」が療養担当規則に記載されたが、「療養担当規則」は法律ではなく、省令です。法律の根拠を欠くもので、義務付けるのは大問題ですと神奈川大学の幸田教授はおっしゃっています。

(西宮市・医科)

・国会議員には都合の良い法律をつくっておいて国民を困らせる。法律を国民に押し付けているように感じる。

(灘区・医科)

・日本国民立ち上がろう!!

(垂水区・医科)

・そもそもマイナンバーカードは法的に任意であり、保険証として一体化する強制は法律が担保していない違法行為と考えられる。

(中央区・医科)

・当面、現行「保険証」と「マイナ保険証」の2本立てにし、多くの人々が「マイナ保険証」が「よいもの」であると考え、「マイナ」の使用率が上昇したら現行「保険証」を中止すべきです。現状での省令改正には強く反対します。

(明石市・医科)

・地方の過疎化地域では、現行保険証の治療が当たり前です。患者さんの選択を可能とするためにも、現行保険証を廃止しないでください。

(赤穂市・歯科)

・保険証必要です。当院の患者様も希望されています。

(加古川市・医科)

・誤りが何例もありました。また、老人ホーム(サ高住や高齢者住宅等)では本人認証に困ります。

(加古川市・医科)

・マイナカードが普及したのはアメ(マイナポイント)のお陰。マイナ保険証が普及しないのは不祥事続きのマイナカードが信用できないため。マイナカードは確かに有用なので、信頼性を高め国民に信用されるようにすべきです。

(小野市・医科)

・法施行規則にある「被保険証に係る規定を削除」のやり方が余りにも、国民の現状を見もせず、ひどすぎます。もっと国民の現状を見ていただきたいものです。

(姫路市・医科)

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