兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2024年7月25日(2076号) ピックアップニュース

燭心

 口腔と認知機能の関係についての研究は多い。咀嚼回数の少ない粉末飼料で育てたマウスや奥歯を抜歯したマウスの実験では学習・記憶能力の低下が認められ、歯数が19歯以下の人は20歯以上ある人と比較して認知機能低下と認知症発症のリスクが2割高いなどの報告がある。咀嚼は脳を活性化させ脳血流量を増加させるため認知機能の維持にとって重要であり、歯を喪失すると咀嚼力が低下し脳への刺激が少なくなり認知症リスクが高くなると考えられている▼歯周病もアルツハイマー病(AD)と深く関わっている。歯周病原菌による全身性炎症が体内のアミロイドβを増加させ、脳内への輸入をも促進させるという。進行した歯周病の存在は海馬を萎縮させADを進行させることから動揺歯は早期に抜歯すべきとの意見もある。しかし、奥歯の喪失は転倒リスクを高めてしまう▼ところでバイデン米大統領の言動に注目が集まっている。こともあろうにウクライナのゼレンスキー大統領とプーチン露大統領を言い間違え、さらにはハリス副大統領をお互い牙をむき出して討論会をたたかったトランプ氏と言い間違えた。飛行機のタラップで階段を踏み外し、演説後には転倒する。バイデン氏の老化は急激に進んでいるように見える。昨年は歯痛で公務を休んだ。81歳のバイデン氏も78歳のトランプ氏も米国人好みの真っ白な冠を多数入れてはいるが、歯周病は進行しているだろう。両者の口腔内を診てみたいと思うのは歯科医師の性(さが)だろうか(九)
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