兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2024年7月25日(2076号) ピックアップニュース

ベースアップ評価料 診療所の届出1割
協会は初再診料・入院料の引き上げ要求

 今次診療報酬改定で新設された「外来・在宅ベースアップ評価料Ⅰ」(初診6点、再診2点)について、県内の医科・歯科診療所の届出が約1割にとどまることが分かった。同評価料を6月から算定する場合の届出期限が当初の同月3日から21日まで延長されるなどしたが、多くの医療機関で届出していない実態が明らかになった。病院の届出は8割以上にのぼった。近畿厚生局ウェブサイト内の「施設基準の届出受理状況(届出受理医療機関名簿)」(2024年7月1日現在)より協会が集計した(下表)。
 これまで会員医療機関からは、「職員のベースアップ分の負担を患者に転嫁することに抵抗がある」「賃金改善計画書の記載事項が多岐にわたり解釈も判然とせず、届出に手間がかかる」「事務職が対象外となっており、届出したくてもできない」「賃上げをさせたいのなら初再診料を大幅に引き上げるべき」などの声が協会に寄せられている。
 協会は当初より、同評価料による報酬をベースアップ以外に充当できないことや、医師・歯科医師、医師事務作業補助等を行う者を除く事務職員が対象外であることなど問題点を指摘。医療従事者の賃金引き上げは基本診療料を中心とした点数の引き上げで行うべきと主張し、不合理是正を求めて厚労省要請などを行ってきた。

県内のベースアップ評価料届出状況(2024年7月1日現在)
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