兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2024年8月25日(2078号) ピックアップニュース

[感想文] 文化部 スポーツを考える企画
豊かな〝心・身体〟育むスポーツを

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勝利至上主義ではなく誰もが等しく楽しめることこそスポーツの社会性と語る平尾先生

 文化部は、7月21日に協会会議室で市民公開企画「スポーツを通して考える『社会と平和』」を開催した。神戸親和大学教授、元ラグビー日本代表の平尾剛氏が講演。医科・歯科医療関係者と市民ら35人(来場12人/Zoom視聴23人)が参加した。鈴田明彦理事、松岡泰夫評議員(ともにラグビー関西ドクターズ所属)が司会を務めた。広野整形外科・看護師の野田順子氏の感想を紹介する。

 平尾先生は「今日、スポーツが抱える課題は、政治や経済、環境問題など私たちの生活に密接に関わっている」とし、スポーツを通して見えてくる様々な社会事象や、戦争、差別などの問題点について、鋭く語られていました。
 また、東京五輪の外国人選手団でも見られた、差別に対する抗議としての「膝つき行為」など、アスリートが本来持つ、世界へ情報やメッセージを発信できる力についても語られていて、〝なるほど〟と思いました。
 また、平尾先生はメディアで消費される「観(み)るスポーツ」に傾きすぎた現状を憂う中で、「『するスポーツ』『教えるスポーツ』の復権のために、娯楽・教育としてのスポーツを豊かにする」という視点も強調され、膝を打ちました。「スポーツハラスメントゼロを目ざす」という考え方にもとても共感し、素晴らしいと思いました。
 人々の心身の健康の保持、増進には、十分な栄養(食事)と睡眠、適度な運動(スポーツ)というのはとても大きな役割を果たします。特に学校教育の場において、子どもたちがスポーツを通して、豊かな心や、身体を育んでいけるような指導が受けられることを願います。
 決して、スポーツによって、子どもたちが疲弊したり、憔悴したりすることのないように。今後、この研究や活動が深められ、ますます発展していかれることを期待いたします。
 このたびは、このような貴重な講演を聴く機会を作ってくださった関係者のみなさま、講師の平尾先生に深く感謝いたします。ありがとうございました。

【西脇市・広野整形外科 看護師 野田 順子】

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