2024年10月15日(2083号) ピックアップニュース
協会調査 マイナ保険証5~7月 7割超でトラブル
協会・保団連は会員医療機関を対象に、政府が「マイナ保険証利用促進集中取組月間」と位置付けた5月以降のマイナンバーカードによる保険資格確認に伴うトラブルについてのアンケートを実施。トラブルを経験している医療機関は昨年5月および今年1月の調査より1割多い、7割超となり、9割が12月2日からの保険証廃止を見直すべきと考えていることが分かった。
本調査は8月27日から実施し、8月末までに731件の回答があった(回答率13.8%)。オンライン資格確認システムについて、94.7%が「導入している」と回答し、ほとんどの医療機関で導入されていた。
今年5月以降のマイナ保険証(オンライン資格確認システム)のトラブル・不具合について、72.8%が「あった」と回答(図1)。昨年5月調査の62.8%、今年1月の61.1%から10ポイント上がっていた。
トラブルの内容としては「(資格情報が)●で出る」が67.5%、「カードリーダーの接続不良・認証エラー」が63.3%、「資格情報が無効」が51.0%と多かった。「マイナ保険証の有効期限が切れていた」も17.1%が経験、さらに「他人の情報が紐づけられていた」も18医療機関、3.6%が経験したと回答があり(図2)、「スタッフが(医師国保)マイナンバーカードで、保険証の読みとりをしたところ院長(私)の銀行口座が住所欄に記載されていた」との深刻な情報漏えい事例もあった。
「いったん10割負担を患者に請求した」事例は9.3%が「あった」と回答し、具体例としては「①一旦10割負担と説明したが、患者が怒り予約変更され、その後来なくなった、②①の事例があったため、その日は会計なしで診療して、後日お金をもって来てほしいと説明したがそれから連絡がつかなくなった」などのトラブルが起こっている。
5~7月は政府が「マイナ保険証利用促進集中取組月間」として、患者へのマイナンバーカード使用の声かけなどを医療機関に呼びかけ、利用率アップによる一時金などを設けていた。この期間の利用推進による患者さんとのトラブルについて、10.1%が「あった」と回答。
具体的には、「マイナ保険証をすすめたが、年寄りにそんなむずかしい手続をさせるのかとどなられた」「来院ごとの提示に関して不満、苦情を言われた」「公費の保険証も紐付けされていると思っているため、公費の保険証を提出しない人がいる」など多数の事例が寄せられ、任意であるマイナンバーカードの政府による強引な推進、システムトラブルや不備の多さに対する患者からの不満の矢面に医療機関が立たされていることが明らかになった。
12月2日に健康保険証が廃止された場合の受付業務について複数回答で聞いたところ、「今も混乱しており、廃止後は受付業務に忙殺されると思う」との回答が52.8%、「診察の待ち時間が長くなると思う」が49.0%となり、「大きな混乱はないと思う」は10.5%にとどまった。
12月2日の健康保険証廃止について、「賛成」は4.4%のみで、「保険証は残すべき」が75.1%、「延期すべき」が15.2%と9割が保険証廃止を見直すべきと考えていることがわかった。
政府は医療現場の声を聞き、保険証廃止を撤回すべきである。
保険証「残すべき」75%
本調査は8月27日から実施し、8月末までに731件の回答があった(回答率13.8%)。オンライン資格確認システムについて、94.7%が「導入している」と回答し、ほとんどの医療機関で導入されていた。
今年5月以降のマイナ保険証(オンライン資格確認システム)のトラブル・不具合について、72.8%が「あった」と回答(図1)。昨年5月調査の62.8%、今年1月の61.1%から10ポイント上がっていた。
トラブルの内容としては「(資格情報が)●で出る」が67.5%、「カードリーダーの接続不良・認証エラー」が63.3%、「資格情報が無効」が51.0%と多かった。「マイナ保険証の有効期限が切れていた」も17.1%が経験、さらに「他人の情報が紐づけられていた」も18医療機関、3.6%が経験したと回答があり(図2)、「スタッフが(医師国保)マイナンバーカードで、保険証の読みとりをしたところ院長(私)の銀行口座が住所欄に記載されていた」との深刻な情報漏えい事例もあった。
トラブル対応「保険証で」86%
トラブルへの対応方法としては、「その日に持ち合わせていた健康保険証で資格確認をした」が85.7%となり、多くのケースで健康保険証を用いていた。「いったん10割負担を患者に請求した」事例は9.3%が「あった」と回答し、具体例としては「①一旦10割負担と説明したが、患者が怒り予約変更され、その後来なくなった、②①の事例があったため、その日は会計なしで診療して、後日お金をもって来てほしいと説明したがそれから連絡がつかなくなった」などのトラブルが起こっている。
5~7月は政府が「マイナ保険証利用促進集中取組月間」として、患者へのマイナンバーカード使用の声かけなどを医療機関に呼びかけ、利用率アップによる一時金などを設けていた。この期間の利用推進による患者さんとのトラブルについて、10.1%が「あった」と回答。
具体的には、「マイナ保険証をすすめたが、年寄りにそんなむずかしい手続をさせるのかとどなられた」「来院ごとの提示に関して不満、苦情を言われた」「公費の保険証も紐付けされていると思っているため、公費の保険証を提出しない人がいる」など多数の事例が寄せられ、任意であるマイナンバーカードの政府による強引な推進、システムトラブルや不備の多さに対する患者からの不満の矢面に医療機関が立たされていることが明らかになった。
12月2日に健康保険証が廃止された場合の受付業務について複数回答で聞いたところ、「今も混乱しており、廃止後は受付業務に忙殺されると思う」との回答が52.8%、「診察の待ち時間が長くなると思う」が49.0%となり、「大きな混乱はないと思う」は10.5%にとどまった。
12月2日の健康保険証廃止について、「賛成」は4.4%のみで、「保険証は残すべき」が75.1%、「延期すべき」が15.2%と9割が保険証廃止を見直すべきと考えていることがわかった。
政府は医療現場の声を聞き、保険証廃止を撤回すべきである。
図1 今年5月以降にマイナ保険証(オン資)のトラブル・不具合について
図2 具体的なトラブルの内容
図3 今年12月2日の健康保険証の廃止について