兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

兵庫保険医新聞

2024年11月15日(2086号) ピックアップニュース

第33回日常診療経験交流会を開催
かがやく未来つくろう 多職種が多彩な話題で交流
特別講演 「認知症の精神療法」繁田雅弘先生が講演

2086_01.jpg 2086_02.jpg

分科会では活発に質疑応答が交わされた

 日常診療での気づき、思いを交流し、患者・医療者の未来をかがやかせよう--。協会は10月27日、第33回日常診療経験交流会を協会会議室とオンライン併用で開催。メインテーマを「かがやく未来はくるのか」とし、分科会で医師・歯科医師・薬剤師・スタッフらが日常診療の工夫や気付きなどを発表し、質疑応答などで交流を深めた。特別講演は「認知症の精神療法の経験から」をテーマとして、東京慈恵会医科大学名誉教授の繁田雅弘先生が講演した。会場に54人、オンラインで31人の計85人が参加した。

 分科会は午前中に3会場で開催。医師・歯科医師・薬剤師ら20人が22演題を発表した。
 「日常診療における認知機能障害と睡眠障害」「開業医が見つけた早期口腔がんの臨床的検討」などの、日常診療で経験した症例の紹介や、「かかりつけ医と難病の在宅ケア」など、在宅医療での工夫が報告され、活発な意見交換がされた。
 また、「疑義紹介で処方変更につながった事例」「薬剤師が日常の調剤において気をつけていること」、「介護施設でどこまでみれるか」「医療保険と介護保険のリハビリテーション」など薬剤師と医師、医療と介護など多職種が関わる演題では、さまざまな職種が交流を深める機会となった。
 さらに新型コロナワクチンの効果や関連疾患に関する演題発表、「東日本被災地訪問と福島原発周辺環境下での2023年4月および2024年5月線量率測定結果」「韓国視察ツアー」「震災アスベストアンケート」など協会各支部・専門部での取り組みの報告や、アスベスト、公害問題、漢方薬に関する展示なども行われた。
 特別講演では繁田先生が、認知症の患者、家族にどのように向き合うかについて、自身の豊富な診療経験、介護の経験を踏まえて、具体的に紹介。アルツハイマー型認知症の人との対話では、本人に誠実に向き合い、意思を引き出し、生きがいを言語化してもらうという傾聴が重要であるとした。
バックナンバー 兵庫保険医新聞PDF 購読ご希望の方