2024年11月25日(2087号) ピックアップニュース
[報告] オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟
東京地裁で28日にいよいよ判決が下される! 評議員 島津 俊二
この裁判は2023年4月21日に第1回口頭弁論が始まりました。被告である国は「請求棄却」を求め、審議が始まり、数度の弁論のやりとりの末、最終、本年9月13日に国は書面で4度目の反論を行いました。
本年12月2日に保険証の新規発行の停止が決まっていることに関して、その前に判決を得ようと、本年9月19日第8回の口頭弁論において、原告である私たちは、あえて反論は行わず結審を求めました。そして裁判長はその結審の期日を11月28日15時と指定しました。
国が行おうとしているオンライン資格確認義務化やマイナ保険証制度は弱小医療機関にとっては廃業を余儀なくされるほど負担が大きく、また患者にとっても、都市部に医療機関の集中を招き、特に地方にあっては医療難民を多く出現させる結果となるでしょう。マイナカードそのものの有効期限もあり、患者にとっては再発行の手間がかかります。
国はマイナ保険証の利便性をうたっていますが、だれのための便利なのか、疑わしい限りです。われわれ医療機関はコロナ禍で規模の大小問わず、それぞれに対応に苦慮しました。その陰で着々と進められたマイナ保険証制度、わが国の医療制度の改悪が、こうした国のご都合主義で、混乱に混乱を重ねながら性急にそして強引に進められました。
国は保団連や保険医協会の意見を特定の団体として、反対意見がさも少数意見かのように主張していますが、保団連は会員数10万人、医療機関開設者の65%の組織率があるということを完全に無視しているのです。
いずれにせよ、今月28日に東京地方裁判所において判決が下されます。ここで勝利すれば、無念に廃業された医療機関の方々に報告できるとともに、まったく無駄な設備投資をしなくてもよいことになります。こうした国のやり方に「喝」をいれる判決を望みます。