2024年11月25日(2087号) ピックアップニュース
国際部 韓国・大邱市医師会との懇談会
医師不足・偏在問題など活発に意見交換
懇談会ではキムデヒョン先生(大邱市医師会海外交流協力団顧問、啓明大学医学部教授)が、韓国の尹大統領による医学部の定員の約3000人から約5000人への毎年2000人増の決定に抗議し、専攻医の88%が辞職する事態になっていることを紹介。他にも小児科や産婦人科など報酬が低く訴訟リスクが高い診療科への希望が少なく、診療科の偏在の解消が課題だとした。
続いて、半田伸夫協会理事が日本の医師の地域偏在問題について、10月に協会で行った邉見公雄先生(全国自治体病院協議会名誉会長)の講演を紹介しながら、医療・福祉分野は地域に雇用を創出するため、地域の病院を基礎とする社会(=「病院門前町」)をめざす重要性について解説した。また、専門科の偏在について、高度な技術や危険手当など経済的支援が不可欠であり、そのためには診療報酬の引き上げが重要だとした。
参加者からは「両国の医療にはさまざまな課題があり、共通する部分も多い」「私たちが若手医師だったころとは環境も考え方も違う」などの意見が出され、より良い医療を作るため、今後も交流を深めることが確認された。
(次号に半田理事の報告を掲載予定)