2024年12月15日(2089号) ピックアップニュース
燭心
兵庫県知事選の結果は意外なものだった。もっとも、都議選や衆院選での「国民民主党」や「れいわ新選組」の躍進を考えれば当然予測すべき結果だったのかもしれない。しかし私自身、今回のようなSNSを使った選挙戦を初めて経験した▼他候補の応援のためだけの立候補。都知事選での「掲示板ジャック」。選挙制度そのもの、ひいては民主主義自体を毀損しかねない由々しき事態である。やり方によってはファッショに繋がってしまう。ヒトラーのナチス党が誕生した時のように情報操作によってミスリードされるからである。世も末である▼とまあマイナス面ばかりを並べ立てていると時代に取り残された前世紀の遺物になってしまう。実は、私たちにデジタル化の推進を押し付ける自公政権をはじめとする既存政党のほとんどはSNSなどデジタルアイテムを活用できているとは言い難い。今回の手段は好きではないが、見方を変えれば、小さな政党や個人が既存の大政党に対抗する手段のヒントが見えてくるようにも思える。デマ宣伝が過ぎればやがて見破られてしまうが、正しい情報を根気よく拡散して行けば共感を呼び力となるだろう。そのためにはフォロワー数を増やすようなアルゴリズムも勉強しなければならない。素人の手に負える代物ではなさそうだ▼保団連、協会として対策の検討が必要だ。次に協会推薦候補を立てる時には「意外な候補が伸びてきました」とマスコミに言わせ、勝利の美酒を味わいたいものである。(酔)