2025年2月25日(2094号) ピックアップニュース
報告 理事会「パレスチナの医療についての要望」を決議
決してパレスチナを見捨てないー停戦後さらに支援の継続を!
国際部長 水間 美宏

イスラエルによる攻撃で破壊されたパレスチナ・ガザの建物(猫塚義夫先生提供)
兵庫県保険医協会は、2025年1月23日、「医療介護従事者と市民による緊急要請」に300人近い個人・団体と共に参加し、ガザ北部に唯一残されたカマル・アドワン病院がイスラエル軍に破壊され、サフィア院長らが連行されたことに抗議しました(兵庫保険医新聞第2092号既報)。
状況は刻々と変化し、1月19日にガザでの停戦が実現したあと、イスラエル軍は1月21日からヨルダン川西岸での軍事作戦を開始し、2月2日までの2週間で50人以上のパレスチナ人を殺害し、2月2日には23の施設を破壊したと言います。その背景には支配をガザから東エルサレム、ヨルダン川西岸、さらにはレバノン、シリア、ヨルダンへと拡げる企てがあるようです。ガザはもちろん東エルサレム、ヨルダン川西岸、その周辺においても医療従事者・施設への武力行使を禁止させることを日本政府に求めます。
1月30日には、イスラエルがUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の国内での活動を禁止する法律を施行しました。今後は、UNRWA関係者はイスラエルからビザがとれず移動も困難になります。UNRWAの活動は国連総会の決議に基づくもので、国連の加盟国であるイスラエルは決議に従うべきです。ガザでは1500人のUNRWA保健局員が働き、ヨルダン川西岸にも診療所があります。2024年にはプライマリケア1千万件のうち6百万件をUNRWAが担っており、UNRWA抜きの医療はありえません。すでに日本の議員連盟がUNRWAの活動継続を訴え、石破首相も同様の発言をしています。日本政府にUNRWAへの支援を中止しないよう求めます。
1月21日以降のイスラエル軍のヨルダン川西岸への侵攻、 UNRWAの活動禁止、石破茂首相のガザの傷病者の受け入れ発言、トランプ米大統領のガザの住民追放と米国の所有発言を受け、協会理事会では新たに決議した要望書(下)をもって外務省へ赴きます。
支援金については、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業)はもちろん、WFP(国連世界食糧計画)、UNICEF(国連児童基金)なども募っています。
パレスチナへの支援を継続し、日本は決してパレスチナを見捨てない、どんなことがあっても支援を続けるという意思を示したいと思います。
パレスチナの医療についての要望
2025年2月8日
兵庫県保険医協会第1203回理事会
兵庫県保険医協会は2025年1月23日に行なわれた「医療介護従事者と市民による緊急要請」に参加し、300人近い個人・団体と連帯して、別紙(掲載略)に示した要請に加わりました。
その前後でも状況は刻々と変化しています。
1月19日にガザでの停戦が実現したあと、イスラエル軍は1月21日からヨルダン川西岸での軍事作戦を開始し、2月2日までの2週間で50人以上のパレスチナ人を殺害し、2月2日には23の施設を破壊したと言われます。
1月30日には、イスラエルがUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の国内での活動を禁止する法律を施行しました。
2月3日には石破茂首相が、衆院予算委員会での質問に答えて、ガザの住民について、「病気、けがをした方々を日本に受け入れられないか、いま、鋭意努力をしている」と答弁されました。
2月4日にはトランプ米大統領が、ガザの住民全員を移住させ、ガザは米国が所有すると発言しました。
このような状況において兵庫県保険医協会は日本政府にあらためて下記の項目を要望します。
1)ガザとともに、東エルサレム、ヨルダン川西岸、その周辺においても、医師、歯科医師、医療従事者、医療施設などに対して武力行使を行なわせないこと
2)パレスチナ難民の医療を担うUNRWAの役割は代替不可能なものであり、引き続き、その活動を支援すること
3)ガザで十分な医療が受けられない住民の治療を日本で受け入れるとともに、回復後にはガザで継続した医療が受けられるよう支援すること