兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2025年3月15日(2096号) ピックアップニュース

歯科技工問題交流会に歯科医師・技工士ら17人
[感想文] 歯科医師・歯科技工士が一致して危機打開を

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アンケート結果と歯科技工士の生の声から、歯科技工所の深刻な実態が共有された

 協会などで構成する「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会は2月1日、協会会議室で歯科技工問題交流会「歯科技工の危機を乗り越えよう!ホンネで語る夕べ~『2024歯科技工アンケート』結果発表もあわせて~」を開催した。
 歯科技工士の雨松真希人氏(兵庫連絡会共同代表/全国連絡会会長)がアンケート結果を基調報告。白岩一心先生(協会副理事長/兵庫連絡会世話人)が歯科医師の立場から「歯科技工士さんとの経験談と兵庫県保険医協会の方針」を話題提供し、歯科医師7人、歯科技工士・技工所経営者10人の計17人(来場13人/Zoom4人)が参加した。柴田麻紀先生の感想を紹介する。

 交流会で技工士の方々のいろいろな声を聞かせていただきました。
 2016年に始まり、このたび兵庫県歯科技工所865カ所を対象に行われた2024年度アンケート調査はとても詳しい内容で、技工所の規模は圧倒的に一人ラボが多く、午前中は集配等を行い、技工は午後からで仕事時間の確保が難しいこと、デジタル化に伴う維持費の高騰、デジタル化しても最後は人の手が必要であることなどのお話がありました。
 経営は「7:3」(技術料7:管理料3)でも成り立つのは難しい。現在歯科技工士の年齢は60代以上が圧倒的。卒後5年以内に約7割の方が離職せざるをえない。半数の方が1日12時間以上労働。週休1日あれば良い方。このような状況の中、技工士養成学校は定員割れが続き閉校していく。
 歯科技工はやりがいのある仕事だが将来性が非常に厳しい、というご意見もありました。
 歯科技工士なしでは歯科医療は成り立ちません。技工士養成学校が閉校していくということは歯科技工教育の場がなくなるということ。歯科医療業界に強い危機感を持った交流会でした。

【歯科・準会員 柴田 麻紀】

3月20日(木)『よんチャンTV』(MBS)内で、16時~17時の間10分程度「歯科技工危機」問題が放送される予定です!
ぜひご視聴ください!!
※放送翌日からYouTube配信あり
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