2025年3月25日(2097号) ピックアップニュース
燭心
高額療養費上限引き上げが見送られた。膠原病で生物学的製剤を使っている身としてはひとまず安心である。しかし撤回までは気を抜けない。死の危険に直結する外来化学療法を受けているがん患者さんはなおさらだろう。自分の命か子どもの進学かを迫られる切実な話も聞く。医療福祉を切り捨てて軍事費や大企業の減税に回す現政府にはつくづく腹が立つ▼ドライアイの治療も受けているのだが、その目薬をスイッチOTCとして市販薬にする案が浮上して来た。「市販薬をなぜ保険適用にするのか」という意見さえ出ているそうだが反対である。「保険適用の薬をなぜ市販できるのか」と考えるのが正しい。市販薬の価格は現在も処方薬の数倍の上、昨今の米の急騰のように、いつ値上げされるか分からない。手軽になると、OTC化を容認すればいずれはひどいことになる▼神奈川協会が発足した窓口負担「ゼロの会」が言うように、一部負担金をゼロにすればよい。お金を気にせず治療を受けられる方が精神的にもプラスである。医療保険はもしもの時に国民の健康を守る、国が保障する社会保険だ。受益者負担と称して3割の負担金が生じ、病気という受難に遭った者に負担させる、こんな制度でいいのか。保険料と負担金、明らかに二重取りである。兵庫協会も賛同し、6月8日には、西山理事長を中心に「ゼロの会オンラインイベント」を企画している。ぜひご参加いただきたい。負担金ゼロを実現して祝杯を挙げたいものだ。(酔)