兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2025年4月05日(2098号) ピックアップニュース

会員意見実態調査【②診療報酬改定〈全体・医科〉】
改定に7割超が「不満」

 協会が昨年10~11月に実施した2024年度会員意見実態調査結果を紹介するシリーズ。今号は2024年度診療報酬改定の評価と医科の改定内容について紹介する。

 基本診療料はわずかに引き上げられたものの、ネットで6回連続のマイナス改定となった2024年6月の診療報酬改定。
 会員の評価は、「おおいに不満」が30.8%(医科36.3%、歯科19.3%)、「不満」が40.5%(同41.4%、38.7%)であわせて7割超が不満と回答しており、特に医科で不満を感じている割合が大きく伸びた(昨年比で医科+22.5%、歯科+7.9%)。
 他方、「満足」は0.8%(医科0.0%、歯科2.5%)、「おおいに満足」は1.1%(医科0.0%、歯科3.4%)とごく少数で、「満足でも不満でもない」は24.3%(医科19.9%、歯科33.6%)だった(図1~3)。
生活習慣病への移行「満足」ごくわずか
 24年度改定で高血圧症、糖尿病、脂質異常症が特定疾患から外され、生活習慣病管理料に移行することについて、「おおいに不満」が34.3%、「不満」が25.9%となり、「満足」「おおいに満足」はあわせてわずか1.6%となった(図4)。
 不満の理由(複数回答)としては、「療養計画書の作成と患者の同意をとるのに時間をとられるから」が最多で74.8%、「これまで十分な説明を行ってきたが、厚労省が定めた療養計画書の様式にあわせなくてはならなくなったから」が47.7%と続き、厚労省が一方的に定めた療養計画書を作成しなくてはならないことへ不満の声が多く寄せられた。
 新設された「医療DX推進体制整備加算」がマイナ保険証の利用率を上げるほど高い点数設定になっていることについては、「評価できない」が64.6%(医科64.5%、歯科64.7%)で、「評価できる」の6.0%(医科5.6%、歯科6.7%)を大きく上回った(図5)。
 評価できない理由(複数回答)としては「診療報酬を用いて国の政策に誘導すべきではないから」(66.9%)、「施設基準のハードルが高い・複雑だから」(48.8%)などが続いた。
ベースアップ評価料「評価しない」5割超
 「医療従事者の賃金改善のため」と新設された「ベースアップ評価料」についても、「評価しない」が55.4%と半数を超え、「評価する」6.8%を大きく上回った(図6)。
 「届出の計画書や報告書などの実務が煩雑」(64.9%)のほか、「ベースアップは基本診療料引き上げで行うべき」(50.0%)との声も多く、収入の目的を定め、報告まで求めるベースアップ評価料のあり方そのものへの反発が強い(図7)。
※協会・保団連は診療報酬引き上げや不合理の是正に向け、全国の保険医の声を集めて厚労省等へ改善を求めている。2026年度診療報酬改定に向けたご意見・ご要望があれば、左記様式からお寄せいただきたい。
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