2005年1月
【水曜】 おならが多い
普段の生活の中でおならは生理的な問題として避けられないことのひとつです。
成人の場合、1日のおならのでる量は約400~1200mlくらいで、無意識に出ているおならも含めると、1日に10回以上はおならが出ています。
おならの多くは飲み込んだ空気といわれています。そのため、つばをのみ込む動作が多い人などは、空気をたくさん飲み込むため、ほとんど臭わないおならがよくでます。おならの成分の約8割が窒素と水素、約2割が二酸化炭素と酸素で、残りの約2%くらいがおならの臭いの原因となるガスです。このガスは、腸内の食べ物のカスを、腸内細菌が分解・発酵してできたものです。腸の中にビフィズス菌などの善玉菌が多いときはあまり臭いませんが、肉食が多いときは悪玉菌がスカトール、インドールを発生させ、おならが臭くなります。糖分や繊維を多く含む食べ物、例えば豆類、イモ類、キャベツ、玉ねぎ、大根などは発酵しやすくおならが多くなります。また食べ過ぎや消化不良でも、発酵が活発になり、おならがでやすくなります。
おならを我慢すると、腸内に発生したガスの一部が腸から血液中に吸収されるため、血液をろ過する役目を果たしている肝臓に負担がかかり、肝臓の機能が低下します。このため糖尿病や高脂血症を起こしやすくなり、脳卒中や心疾患など大病へとつながる恐れが生じます。したがって、おならを我慢するのは、体によくありません。また、糖尿病の薬の中にはおならがでやすくなる種類のものがありますし、ストレスが原因でおならが多くなることもあります。食べ物や食生活に原因がないにもかかわらず、おならが多いときは、早めにかかりつけの医師や消化器専門医に相談して下さい。