2005年2月
【木曜】 失明につながる眼の病気
いつまでも快適にものが見えること、これは誰もが願うことでしょう。しかし、不幸にして失明につながる恐い病気があります。
わが国では、失明の原因としてトップに挙げられるのは糖尿病性網膜症です。他に緑内障や網膜剥離でも失明することがあります。糖尿病性網膜症の場合は眼球の奥にある網膜の血管が糖尿病のために次第にもろくなり、出血を繰り返します。この病気の恐いところは多くの場合、かなり進行しないと自覚症状が出ないことです。視力が低下したときには手遅れということも少なくありません。失明を防ぐためには糖尿病のコントロールを十分することと、症状がなくても定期的に網膜や眼の神経を診る眼底検査を受けることが重要です。
緑内障は一般的に「青そこひ」と言われるもので、眼圧が上がり視神経が障害される病気です。急性のものと慢性のものがあり、急性型は急激な視力低下、眼の痛み、頭痛、吐き気などを伴い、その日のうちに失明することもあるので注意が必要です。慢性型は自分では気づかないうちに次第に見える範囲が狭くなっていきます。一度見える範囲が狭くなると決して元には戻りませんので、眼圧を正常値にしておくことが必要です。
しかし、眼圧は正常でも視神経の障害となる正常眼圧緑内障という病気もありますので、眼底検査が必要です。
網膜剥離は網膜に穴があいて、そこから網膜がはがれる病気です。はがれたところは見える範囲が狭くなってきます。またこの症状の前兆として、虫のようなものが飛んでいるように見えたり、光が見えたりすることがあります。特に近視が強い人は注意が必要です。
これらの病気はいずれも早期に発見すれば有効な治療法があります。日頃からご自分で片方づつ見え方のチェックをするなどして、少しでも異常を感じたら眼科を受診するようにして下さい。