2005年2月
【月曜】 口臭について
お口の臭い気になりませんか?
口臭とは周囲の人に不快感を与えるような口の臭いをいいます。口臭を自覚してない人もいれば、常に口臭を気にしている人もいます。
口臭は本来誰にでもあります。朝起きたときや食事の後、緊張したときなど、口臭は強くなり、これは生理的口臭と呼ばれます。一方、病的な口臭には、全身的な病気によるもの、精神的なもの、鼻や扁桃腺の病気によるものなど様々ですが、口臭のほとんどは口の中に原因があるのです。
一般に病的な口臭の8割は歯槽膿漏などの歯科関係の病気が原因と言われ、あとの2割は内科と耳鼻科に関係する口臭と言われています。歯科関係のものとしては、歯みがきの不足、虫歯や歯周病、口内炎などの炎症、さらに舌の表面についた細菌の汚れによっても起こります。内科的なものは消化器系の病気が原因であることが多く、大部分は胃からのガスの逆流による口臭です。
ところで、耳鼻咽喉科に口臭のことで悩んで来院する人はあまり多くありません。ほとんどの口臭は口腔内で炎症をおこしうる細菌によるものです。耳鼻咽喉科で一番多いのは扁桃炎による口臭です。扁桃腺には腺窩(せんか)という小さいくぼみがあり、細菌やウイルスなどの異物を殺す働きがあります。しかし激しい炎症があると黄色い膿栓(のうせん)といわれる細菌の死骸や食べ物のカスが扁桃腺の腺窩につきます。さらに炎症が強くなり、口を開けるのもむつかしい時は、嫌気性菌という酸素を嫌う細菌がつく事が多く、特有の腐った臭いを放ち口臭の原因となります。この治療には抗生剤を使います。
口臭がないのに異常に気にする人もいます。会話するのに、自分の口臭が相手に不快感を与えないかと心配して来院されます。口臭がないのに、本人だけが口臭がすると感じる口臭ノイローゼなどもあります。口臭についてお悩みの方は、かかりつけの医師にご相談下さい。