2005年3月
【金土日】足の変形(外反母趾)
外反母趾(がいはんぼし)は、母趾といわれる足の親指の付け根のところが出っ張ってきて、ひらがなの“く”の字のように先端が外側に曲がり変形した状態になる病気です。
ひどくなると、付け根の部分にタコを作ったり、親指と他の指が重なったりして歩きづらくなります。
原因は大きくわけて、遺伝的要素と、後天的要素があります。後天的要素は靴など履物が原因で起こります。この2つが重なって変形を進行させます。このほかに、関節リウマチなどの全身の病気から変形をきたすこともあります。外反母趾は、下駄や草履を履いていた昔の日本人には少なかったことからも、履物の影響が大きいといえるでしょう。
予防や治療としては、原因を取り除くことが第一です。先の細い靴やハイヒールを長時間履かないようにすることが大切です。できるだけ、はな緒のある履物や先の部分が広く指が十分動くだけのゆとりのある靴を履くようにしましょう。素材は軟らかいものを選びましょう。進行の予防には足の筋力訓練やストレッチも大切です。例えば、足でジャンケンするようにグー、パー、と力をいれてゆっくり行ったり、手を使って親指を内側へゆっくりと開き10秒くらい止めておいたりします。これらの訓練は入浴などスジが柔らかくなっている時に行うのが効果的です。さらに矯正用の装具を使うこともあります。変形が強く、履きやすい靴が見つからない場合は、自分の足の形にあった靴や装具を作ってもらうのもよいでしょう。
痛みが強い時は消炎鎮痛剤などの薬を使うこともありますが、効果は一時的なものです。症状や経過により手術を行うこともあります。
外反母趾はいったん曲がり始めるとどんどん曲がりやすくなる傾向があるため、早期ケアが重要です。変形を自覚している方や痛みのある方は、かかりつけの整形外科医にご相談ください。