兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2005年3月

【木曜】 くり返すぼうこう炎の予防

 膀胱(ぼうこう)炎はその名の通り、何らかの原因で膀胱の粘膜に炎症が生じた状態で、排尿痛、頻尿、尿混濁、時に血尿などの症状をきたします。そして20歳以上の生殖年齢層の女性に多く、男性にはあまりみられません。この膀胱炎で多いのが、大腸菌などの細菌感染による急性膀胱炎です。急性膀胱炎は抗生物質を数日内服することで速やかに改善しますが、抗生物質を内服してもなかなか治りにくい場合、尿の通りに何らかの基礎疾患がある複雑性膀胱炎を疑う必要があります。
 複雑性膀胱炎を引き起こす基礎疾患はたくさんあります。膀胱の神経が何らかの障害を受けて排尿障害をきたす神経の病気、尿道が狭くなる病気、膀胱の中に別に尿が溜まるスペースができる病気、ほかにも膀胱の結石や腫瘍などがあります。男性の場合には排尿障害をきたす前立腺肥大症、前立腺癌などもあります。
 複雑性膀胱炎の場合は、いま述べた基礎疾患の治療が第一であり、これによって膀胱炎も改善します。しかし基礎疾患をもたないで膀胱炎をくり返す場合は生活習慣に問題があることが多いようです。
 生活習慣の中で気をつける事として、①排尿は我慢しないようにしましょう。②からだ、特に下腹部は冷やさないようにしましょう。③尿の量が少ない時は、いつもの尿の量になるように水分は多く取りましょう。④性交の後は早めに排尿しましょう。⑤女性の場合、外陰部は清潔に保ちましょう。特に生理の時にはこまめに生理用品を交換しましょう。また、トイレットペーパーは前から後へ使いましょう。これは膀胱炎になる菌は肛門周囲の菌が多いためです。
 以上の点に注意しても膀胱炎をくり返す場合には、複雑性膀胱炎が疑われますので泌尿器科を受診して精密検査を受けてください。

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