兵庫県保険医協会

　肥満とは、皆さんご存知のように身体における脂肪の蓄積量が増加した状態を言います。
　現代人にとって肥満は深刻な問題です。なぜなら肥満は、万病のもとと言われるように糖尿病、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病を誘発する原因となることが多いからです。
　肥満を解消するには適正な減量、正しいダイエットが必要となります。
　まず最初に、毎日の生活習慣を見直してください。食べすぎ、運動不足と言ってしまえば簡単ですが、生活習慣の中に改善すべき点が必ずあるはずです。
　次に、自分の適正体重を知ることが大切です。必要な減量目標を持ってください。一般的には、１ヵ月に１～２ｋｇを目安に無理がないように減量したいものです。そして、この食事制限と運動を長く続けていくということが重要です。
　食事制限の基本は、摂取エネルギー量を減らしても必要な栄養素はむしろ積極的に摂らなくてはいけません。
　食事では次のことに注意しましょう。①低エネルギーでバランスの良い食事。②肉、魚、豆類などのたんぱく質を上手に組み合わせ、野菜を意識して多く摂る。③早食い、まとめ食いに注意し、腹八分目に慣れる。④低エネルギーのための調理方法を工夫する。例として、だしを効かせたり酢やレモンを利用して薄味にする。「油を敷いて焼く」より、蒸したりゆでたりして脂肪分を落とす。⑤何もかも厳しく制限しすぎないで長く続けることです。
　また、運動には大雑把に言って、有酸素運動と無酸素運動の２種類があります。身体の脂肪を燃焼させるためには、ジョギングや水泳のような有酸素運動が効果的です。
　そして、腕立て伏せや腹筋運動のような簡単な無酸素運動を付け加えることで、より効果が上がると考えられます。
　健康的な減量は、脂肪のみを減らすことが目標で、筋肉量を減らしてはいけません。そのためにも適度な運動が必須です。
　運動をはじめる前には、医学的な健康チェックを受けて下さい。自分の健康状態にあった運動が安全に長続きさせるひけつと言えます。