2005年6月
【月曜】 プール熱
プール熱は、医学用語で「咽頭結膜熱」といわれます。これはアデノウイルスという微生物が、人の体に感染して起こります。年間を通じて発生しますが、特に夏はプールを介して子どもの間に流行しますので、一般にプール熱と言われています。しかし、プールに入らなくても感染しますし、最近では冬でも少なくありません。
ウイルスに感染して、5~6日後に症状があらわれます。「高熱」「ノドの痛み」「結膜炎」の3つが主な症状です。
「高熱」は、39℃からしばしば40℃を超える高熱が3~7日間ほど続き、扁桃腺に白っぽい膿のようなものがつくことがあります。「ノドの痛み」は、ノドが赤く腫れ、4~5日間痛みます。「結膜炎」は目が赤く充血し、目の痛み、涙、目やにがでて、目を開けているのがつらくなります。
このほかに頭痛、寒気、食欲不振、吐き気、下痢、鼻水などの一般的なカゼの症状、首や顎の下のリンパ節の腫れや痛みなどを認めることもあります。咳がでることがありますが、普通はひどくなりません。
最近では、のどの液をとって簡単に検査ができますので、以上のような症状がみられたら小児科医師の診察を受けて下さい。
プール熱は大事には至りませんが、下痢がひどい時は脱水症状が強く出ることもあり、特に水分をとることが必要です。
予防としては、プールに入った後には、シャワーで目や手をはじめ体を十分に洗うことと、自分専用のタオルを使用することが重要です。また、家ではタオル、洗面器、食器などを家族と共用しないよう注意しましょう。また、感染するのは、プールだけに限りませんので、こまめに手や指を石けんで洗いましょう。
なお、プール熱の原因になるアデノウイルスは感染力がとても強いので、熱が下がり、症状がなくなっても2日程度は無理をしないよいうにしましょう。また、登園・登校は主治医と相談するようにしましょう。